超高層建築の「眺望」は、これまでガラス越しに眺めるだけだった。パーティション大手の小松ウオール工業は、超高層階でもフルオープンを可能にする外装用移動間仕切「SKYDOOR」が、「ブルーフロント芝浦」に初導入されたと発表した。地上138メートルという過酷な気象条件下で求められる高度な耐風圧や水密性をクリア。高層建築に新たな開放感をもたらす、業界の常識を覆す新技術となる。
パーティション大手の小松ウオール工業は2026年3月18日、東京都港区芝浦の新たなランドマーク「BLUE FRONT SHIBAURA(ブルーフロント芝浦)」で、高層建築用/外装用の移動間仕切「SKYDOOR(スカイドア)」の新製品発表会を開催した。
BLUE FRONT SHIBAURAの28階(地上約138メートル)に初導入されたSKYDOORは、幅10.6メートル、高さ3メートルという空を感じる大開口を実現した。
現在、都心部を中心に活発になっている超高層建築では、その圧倒的な「眺望」が最大の資産とされてきた。また、コロナ禍以降のウェルビーイングへの関心の高まり、都市建築で「自然とのつながり」を求める新たなニーズも増えている。しかし、従来の技術では暴風雨や浸水といった過酷な外部環境から室内を守るため、外装サッシは「開かないFIX窓」が主流で、景色はガラス越しに眺めるだけだった。
そこで小松ウオールは、野村不動産、槇総合計画事務所、清水建設の4社で、開発・設計・施工の枠を超え、2022年から開発に着手。性能試験を含む約6カ月で実用化し、2024年2月からBLUE FRONT SHIBAURAで取り付けを開始し、2025年9月のオープンに間に合わせた。
性能面では、高い精密加工技術を生かし、止水や防風性を担保する確実なシーリング構造を備える。その結果、耐風圧性「S-7」、気密性「A-4」、風速毎秒43メートルに耐える水密性「W-5」を達成した。
平時には強固な外装サッシとして機能しながら、天候の良い日には重厚なパネルを滑らかに移動し、室内空間を瞬時に外部テラスへと変貌させる。換気や開放だけでなく、風の音、空気の揺らぎ、都市の活気をダイレクトに肌で感じる「五感でつながる体験」という都市建築設計の可能性を拓く。
発表会に登壇した小松ウオール 代表取締役社長 加納慎也氏は「高層階の内側と外側の境界線をなくし、新たに開放的で贅沢な空間をもたらす。単なる動く外装ではなく、移動壁の枠を超えた製品として、オフィスや商業施設、ホテルなど、その用途には無限の可能性が広がっている」と、その意義を強調した。
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