三井ホームが「MOCX WALL」初採用の3.5億円モデルハウス公開 大開口で示す次世代木造邸宅新工法(1/2 ページ)

三井ホームは、「つなぐ―これからの邸宅」を掲げるモデルハウスを、駒沢公園内の住宅展示場にオープンした。戸建て住宅向けに最適化した「MOCX WALL工法」を初採用し、耐震性能を確保しながら大開口を実現。木の質感や外部とのつながりを生かしたウェルビーイングのデザイン、木造建築物の普及による脱炭素社会への貢献も打ち出し、都市部における次世代の木造邸宅の可能性を示した。

» 2026年05月26日 20時42分 公開
[加藤泰朗BUILT]

 三井ホームは2026年4月、東京都世田谷区の駒沢公園ハウジングギャラリーステージ3に、新たなモデルハウス「駒沢公園第3モデルハウス(MITSUI HOME KOMAZAWA)」をオープンした。

 モデルハウスは木造2階建てで、建築面積は139.75平方メートル、延べ床面積は243.02平方メートル。設備や外構、インテリアを含めた総工費は約3.5億円に上る。

 建物のコンセプトキーワードは「光を綴り、四季を飾る。大開口と暮らす贅沢。」。派手さよりも本質的な上質さを求め、心身の健康や自己成長、家族や友人との時間を大切にする層を主なターゲットに据えた。

 開発ビジョンは「つなぐ―これからの邸宅」。最新の木造技術を生かし、外部と内部、過去と未来、人と環境をつなぐことで、三井ホームが考える次世代の都市の住まいを提案する。

駒沢公園第3モデルハウス(MITSUI HOME KOMAZAWA)。一寸勾配という緩勾配金属屋根を採用しスクエア型に見せる外観は、ベージュトーンで統一し、上質感を演出している。緩勾配の屋根は都市部の高さ制限に対しても有利に働く 駒沢公園第3モデルハウス(MITSUI HOME KOMAZAWA)。一寸勾配という緩勾配金属屋根を採用しスクエア型に見せる外観は、ベージュトーンで統一し、上質感を演出している。緩勾配の屋根は都市部の高さ制限に対しても有利に働く 写真は全て筆者撮影

構造の制約を抑え、内外をつなぐ大開口へ

 モデルハウスで最大の特徴は、三井ホーム独自の「MOCX WALL(モクスウォール)工法」による「壁からの解放」だ。

 MOCX WALLは、三井ホームが2021年に手掛けた木造マンション「MOCXION(モクシオン)」のために開発した壁倍率30倍超の高強度耐力壁だ。面材の接合具に、先端部にスクリュー加工を施したオリジナル釘「NX50」を使用することで、一般的なCN50よりも太く、折れにくく抜けにくい構造とし、高い壁倍率を実現した。

 MOCX WALL工法は、戸建て住宅向けに最適化したMOCX WALLを使用した独自のツーバイフォー工法だ。一般的な戸建て住宅に求められる壁強度を大きく上回り、壁倍率最大11倍の強度を誇る。2024年の新規契約物件から適用し、住宅展示場のモデルハウスに採用するのは今回が初となる。

 高強度耐力壁の採用により、建物の耐震性能を確保しながら、構造上必要となる壁量を減らすことが可能になった。ゆとりある大空間を構成できるだけでなく、構造区画が拡大することで、将来の間取り変更やリフォームにも対応しやすい。

 家族構成やライフスタイルの変化に合わせて住まいを柔軟に更新できる点は、三井不動産グループが掲げる「長く住み続けるほど建物が成熟し、価値を高める」という“経年優化”の考え方とも重なる。

 モデルハウスでは、2階のリビングダイニングに、幅合計6メートルのコーナー開口を設けた。床から天井まで連続する開口により、都市部の限られた敷地でも光と風を最大限に取り込み、室内と屋外を緩やかにつなぐ。視線や動線を遮る要素を抑えることで、ノイズレスな空間構成を可能にしている。

MOCX WALL工法が実現した2階のリビングダイニング。開口越しに見えるバルコニーには、豊かな植栽が配置されている。天井高はリビングが3メートル、奥のダイニングは4.38メートル MOCX WALL工法が実現した2階のリビングダイニング。開口越しに見えるバルコニーには、豊かな植栽が配置されている。天井高はリビングが3メートル、奥のダイニングは4.38メートル
ドイツのラグジュアリーブランド「ポーゲンポール」を採用した2階のキッチン。インテリアデザインのコンセプト「Quiet Luxury〜クラスアップを叶える暮らし〜」に沿ったものとなっている ドイツのラグジュアリーブランド「ポーゲンポール」を採用した2階のキッチン。インテリアデザインのコンセプト「Quiet Luxury〜クラスアップを叶える暮らし〜」に沿ったものとなっている
1階ラウンジの右側の壁は非構造壁で撤去可能。ソファはカッシーナの「マラルンガ」 1階ラウンジの右側の壁は非構造壁で撤去可能。ソファはカッシーナの「マラルンガ」

 通常のツーバイフォー工法では、建物強度を保つために、開口部上端やバルコニーへのまたぎ部分、大空間を設ける場合の天井の一部などに構造部材を設ける必要があり、空間設計上の制約となっていた。MOCX WALL工法とすることで、構造部材を減らし、開口部や空間構成の自由度を高めている。

階段室上端。通常のツーバイフォー工法ならば、構造上下がり壁が必要となる箇所だが、モデルハウスでは開口部としている 階段室上端。通常のツーバイフォー工法ならば、構造上下がり壁が必要となる箇所だが、モデルハウスでは開口部としている
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

特別協賛PR
スポンサーからのお知らせPR
Pickup ContentsPR
あなたにおすすめの記事PR