大林組は、建設現場の熱中症リスク低減を目的に、猛暑期間(7〜8月)の作業時間帯を「午前7時〜午後1時」に変更する。気温上昇前に作業を集中させることで、安全確保と生産性の維持を目指す。
大林組は2026年5月21日、近年深刻化する猛暑への対応として、全国の建設現場のうち条件が整った現場を対象に、7月から8月にかけて作業時間帯を変更すると発表した。
気温上昇前の時間帯に作業を集中することで、技能労働者の安全確保と施工品質の維持を両立させる狙いだ。
厚生労働省の速報データによると、過去5年間(2021〜2025年)の熱中症による死傷者数で、建設業は製造業に次いで多い水準となっている。2025年6月からは熱中症対策が義務化され、「体制整備」「手順作成」「関係者への周知」が事業者には求められている。また、現場の熱中症対策は、労働者の命を守るだけでなく、安定した工事遂行や品質確保にも直結する課題だ。
これまで大林組では、WBGT値(暑さ指数)に基づく作業管理や十分な休憩時間の確保、現場への仮設空調設備の導入といった熱中症対策を講じてきた。さらに2025年度からは、現場作業に従事する全関係者に対して、空調機能付きウェアの着用を必須化した他、暑熱下のリスクを検知して知らせるウェアラブルデバイスを持つことも義務付けた。
こうした既存の対策を継続しつつ、さらなるリスク低減を図るために今回着手した取り組みが作業時間帯の見直しだ。
新しい作業時間帯は、熱中症の発生が集中する7月から8月までに限定して運用する。国内の建設現場を対象とするが、各現場の作業環境や内容を踏まえた上で導入の可否や運用方法を決定する。具体的な作業時間帯については、午前8時から午後5時までの標準的な時間帯から、午前7時から午後1時へと変更する。
気温やWBGT値が上昇する前の午前中から昼過ぎまでに作業を終わらせ、猛暑による体調不良のリスクを大幅に減らす。
また、作業時間の前倒しや短縮によって工程への影響が懸念される現場は、比較的気温が低い時期に作業時間を延長するなど、年間を通じて工程を調整する。
大林組は今後も、今回の取り組みをはじめとした熱中症対策をさらに充実させ、建設現場の安全性向上と働きやすい環境づくりに継続して取り組んでいく方針だ。
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