大林組は、トヨタ自動車未来創生センターと共同開発した施工シミュレーターを高速道路の床版取替工事に導入した。リスクの見える化機能を改善し、作業員の安全意識向上を図ることで、効率的かつ安全な施工につなげた。
大林組は2026年3月24日、トヨタ自動車未来創生センターと共同開発した施工シミュレーター「GEN-VIR(ゲンバー)」を高速道路の床版取替工事で活用したと発表した。今回の工事では、作業に潜むリスクをシミュレーション上で直感的に把握/共有できる4つの機能を新たに追加し、作業員の安全意識の向上を図った。
GEN-VIRは、3DCGによる工事現場と作業を再現するシミュレーション技術で、綿密な作業順序や作業員配置の検討が行える。大林組ではこれまで、東名リニューアル工事(東名多摩川橋)など、高速道路上の作業時間や空間が限られ綿密な作業検討が求められる工事にGEN-VIRを活用し、作業改善に役立ててきた。
今回の床版取替工事でも、GEN-VIRを活用して、工事経験者と未経験者の理解度の差を縮めるとともに、協力会社の若手職員にも現場全体の動きを分かりやすく共有するなど現場改善に役立ててきた。工事で採用している床版接合工法「スリムファスナー」による施工は、作業手順や安全管理が重要となることから、施工シミュレーションにリスクの見える化機能を改善して導入し、より安全な作業を目指した。
具体的には、危険が想定される場所を分かりやすく示す「リスクエリアの点滅機能」、作業内容や動線に応じてリスクを幅広く把握するための「リスク分析機能」、シミュレーション結果を振り返るための「録画ビューワ機能」、墜落や転倒などのリスクの洗い出しを支援する「自動検出機能」を開発、追加した。
GEN-VIRを活用し、スリムファスナーの施工シミュレーション動画による作業手順説明会を実施した結果、協力会社の職長からは「従来の紙面ベースでの手順説明会よりも説明しやすい。動画で流れを確認できるため初めての人にも分かりやすく、スムーズに現場に入ることができ、より安全に注意しながら施工できた」などの声が聞かれたという。
大林組は今後も、高速道路リニューアル工事をはじめとした工事現場でGEN-VIRを活用し、機能開発や改良を進めていく。
山岳トンネル工事:トンネル工事に「エレクタ付き2ノズル自動吹付け機」を導入、実工事では初 鹿島建設
建機自動化:フジタや筑波大ら、複数建機が協調する「自動施工」公開 土工プロセスの“一気通貫システム”構築
第7回 国際 建設・測量展:フル電動クレーンを屋内から操作デモ タダノが竹中工務店やアルモと実用化
無人化施工:熊谷組らがチューリッヒ工科大学と開発した「巨大ロボットハンド」公開 奈良先端大の「自動掘削AI」も披露
i-Construction 2.0:海上工事でバックホウの遠隔操縦/自動運転システムを試験導入 東亜建設工業
Japan Drone 2025:ドローンの無料Webシミュレーターとトレーニング用機体を先行出展、DRONE STARCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10