安藤ハザマは、山岳トンネル工事の現場で、IOWN技術を活用した坑内の大容量高速データ通信の実証実験を行う。
安藤ハザマは2026年3月10日、NEXCO中日本発注の「東海北陸自動車道(4車線化)椿原トンネル工事」で、IOWN技術を活用した坑内での大容量高速データ通信の実証実験を行うと発表した。
山岳トンネル施工では、人手不足や熟練者の高齢化、災害リスクが高い切羽近傍での作業があることなどから遠隔管理が求められている。しかし従来の現場ネットワークでは、施工判断に必要な高精細映像や大量の点群データをリアルタイムで安定的に伝送することが難しいという課題があった。
今回の実証は、NTTが提唱する次世代情報通信基盤「IOWN」の建設現場適用に向けたユースケース検証の一環で実施する。IOWN APNに接続する坑内専用ネットワークを、実運用を想定した通信負荷をかけて評価し、複数箇所の同時遠隔監視や点群データの即時分析、高精細映像を用いた遠隔臨場などの場面を見据え、情報基盤と通信ネットワークの確立を目指す。
実証では、山岳トンネル坑内における通信基盤としてのIOWNの有用性と、大容量高速通信の実稼働性を確認し、今後の技術要件と評価基準の策定につなげる。
坑内には光ファイバー、スイッチ、ルーターなどで大容量高速通信ネットワークを構築し、8K解像度の360度カメラやレーザースキャナー、ダミーデータ発生装置を用いて実運用時の負荷を再現する。
山岳トンネル延長1500メートル区間と、トンネルから1000キロ離れた遠隔拠点との間の遅延再現や複数カメラを同時接続した高負荷試験を実施。通信帯域、通信遅延、ジッタ、パケットロス、エラー率などの情報通信基盤に関する技術要件を定量的に計測する。
期間は2026年3月2〜17日を予定する。総括管理は安藤ハザマが担い、NTTと1Finityの協力を得て進める。
安藤ハザマは実証を通じて、閉鎖空間で粉塵(じん)/湿気/振動など通信機器に過酷な条件がそろう山岳トンネル坑内という現場環境で、通信の実効性と運用上の課題を明確化するとともに、得られた定量データと運用知見を基に山岳トンネル向けの通信技術要件や評価基準、標準的な導入ガイドラインを整備するとしている。
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