レンタルのニッケンが提供する「CO2排出量可視化サービス」が、公共土木を中心に複数の建設現場で活用されている。手作業で行っていたCO2排出量の算定を自動化し、建機の稼働状況をリアルタイムで管理する。
レンタルのニッケンは2025年9月16日、公共土木工事を中心とした複数の建設現場で、2024年10月に提供を開始した「CO2排出量可視化サービス」が導入されていると明らかにした。建機の稼働データを基にCO2排出量を自動算定して、リアルタイムでダッシュボート上に可視化する。
CO2排出量可視化の仕組みは、建機に取り付けたテレマティクスセンサーがエンジンの稼働状況を10分に1回、またはエンジンのON/OFFのタイミングでクラウドに送信。クラウド上で、稼働時間と機種ごとの平均燃費、燃料種別に応じたCO2排出係数から排出量を算定する。ダッシュボードでは、CO2排出量をグラフ化して一元的に把握できる。
また、建機の稼働状況や位置情報もリアルタイムに見える化し、無駄な稼働時間の抑制や機械配置の最適化に寄与する。LTE回線に加え、Wi-Fi通信にも対応し、トンネルや山間部などLTE通信が届きにくい環境でも安定したデータ通信が可能だ。そのため、土木をはじめ、設備、電気、プラントなど多様な工種の脱炭素化を支援する。
他にも、CO2排出量データを基にしたカーボンオフセットの支援も提供する。目的や予算に応じた手法を提案し、脱炭素経営の一助となる。
今後は、利用企業ごとの業務プロセスに応じてダッシュボードをカスタマイズできる機能、現場ごとのCO2排出目標を設定することで、超過時にアラートを発する機能も追加する計画だ。
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