戸田建設、古野電気、TOAは共同で、地下空間など携帯電話の電波が届きにくい環境でも緊急放送や定時放送を確実に行える「緊急ボタン付きWi-Fi放送システム」を開発し、実用性を確認した。
戸田建設は2026年3月2日、古野電気、TOAと共同で、建設現場向けWi-Fiシステム「ウェーブガイドLANシステム(WGLS)」と「IPオーディオ」、緊急ボタンを組み合わせた「緊急ボタン付きWi-Fi放送システム」を開発したと発表した。地下空間など携帯電話の電波が届きにくい環境でも相互発信が可能で、緊急放送や定時放送を確実に行える機能と実用性を確認した。
新システムは、WGLSを活用してWi-Fi電波を各フロアへ送信し、受信側はアクセスポイントとIPオーディオ、緊急ボタンを内蔵したWi-Fi放送システムで構成する。現場の標準的なコンセントに接続するだけで利用できる。
事務所のIPリモートマイクからWi-Fi経由で現場全体への一斉放送が可能な他、始業や休憩など、指定した場所と時刻に定時チャイムを放送できる。地下環境などでも情報や時間を確実に周知できる点が特徴だ。
また、現場に設置した緊急対応ボタンが押されると、発生場所を特定し、事前に設定した音声メッセージを自動で現場全体へ放送する。これにより災害発生時の初動対応の迅速化を図る。
Wi-Fi放送システム自体が中継機の役割も果たし、Wi-Fi利用エリアを拡大できるため、現場のデジタル化や生産性向上にも寄与する。さらにWBGT測定器と接続すれば、設置場所ごとに設定した閾値を超えた際に、録音メッセージを自動発報して安全対策を促すなど熱中症対策にも活用できる。
新ステムは戸田建設の施工5現場に適用し、機能と実用性を検証した。非常階段に設置したWGLSと周囲に配置したWi-Fi放送システムを接続し、地下工事などの環境で検証した結果、定時/緊急放送を確実に周知できることを確認した。
今後は、緊急時の迅速かつ確実な情報伝達や時間の有効活用が求められる幅広い現場への適用拡大を目指す。建設現場の床や壁には鉄筋コンクリートや鉄骨が用いられ、電波が届きにくいケースが多い。WGLSを活用してフロアごとにWi-Fiエリアを拡張し、他のICT機器との連携による情報共有を進めることで、建設現場の安全性と生産性の向上を図るとしている。
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