EIZOは大林組と共同で、能登半島地震の復旧工事で建機の遠隔操縦技術を検証した。EIZOの3D映像技術により、俯瞰カメラを設置する必要がなくなり、リモート操作で課題だった距離感の把握も改善し、作業スピードも迅速化した。
EIZOは大林組と共同で、建設機械の遠隔操縦で3D映像技術の有効性を検証する現場実証を実施したと2025年12月18日に発表した。
大林組が施工する「令和6(2024)年度能登半島地震地すべり(曽々木・渋田)緊急復旧工事」では、安全性と効率性を両立するため、遠隔施工が必須要件とされていた。そこで、石川県輪島市の復旧現場と千葉県君津市の遠隔操縦拠点を結び、落石など2次災害リスクの高い箇所で無人化施工を実施した。
しかし、従来の遠隔操縦では映像が平面的で、周囲の状況や作業対象までの「距離感の把握」が難しく操作性などの課題があった。
課題解決のため、大林組とEIZOは日立建機との協創で開発した技術をベースにしている「3D映像表示技術を用いた遠隔操作ソリューション」を試験的に導入。搭乗施工に近い距離感を再現し、オペレーターが複数の映像を同時に確認する必要がなく、1つの3D映像に集中して作業できる環境を構築した。
検証では定位置の建機による崩土積み込み作業を対象に、従来の2D映像による操縦と比較して作業時間を評価した結果、3D映像による奥行き認識の向上が作業スピードの改善につながることを確認した。
安全面では、EIZOのストリーミングゲートウェイ技術により、石川県と千葉県間の超長距離でも同期の取れたステレオ映像を安定伝送し、遠隔から安全な作業を実現した。
また、災害現場では一刻も早い復旧が求められる中、俯瞰カメラの設置は時間を要することがあり、初動対応を遅らせる要因となる場合がある。3D映像を活用することで俯瞰カメラの設置作業を省略し、対応スピードを向上させられる。
本実証の成果は、2025年10月に開催された「けんせつフェア北陸2025 in 新潟」での大林組ブースで、遠隔操縦における距離感の課題を解決する取組みとして紹介し、来場者から高い関心を集めた。
EIZOは今後も3D遠隔操作ソリューションをさまざまな建機、作業を対象に現場検証を重ね、進化させることで、自然災害時の早期復旧や建機の操縦者不足といった社会課題の解決に貢献していくとしている。
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