コマツとその子会社EARTHBRAINはCSPI-EXPO2025で、「未来の建設現場」をテーマに最新技術を披露した。7年ぶりにフルモデルチェンジした新世代ショベル「PC200i-12」の国内初公開に加え、無人化施工をデモンストレーション。省人化と安全性向上を両立するビジョンを示し、業界の社会課題解決に向けた強いメッセージを発信した。
建設現場の未来をどう変えるのか──その具体像を示したのは、建設機械分野で業界をけん引するコマツだ。子会社のEARTHBRAIN(アースブレイン)とともに、「第7回 国際 建設・測量展(CSPI-EXPO2025)」(会期:2025年6月18〜21日、幕張メッセ)に出展し、自らが描く「未来の建設現場」の姿を提示した。
展示の目玉となったのは、次世代を担うと建機として2024年12月に販売を開始した油圧ショベル「PC200i-12」だ。土木分野の主力機種となる20トンクラスの油圧ショベルを7年ぶりにフルモデルチェンジした最新モデルで、一般向けには今回が国内初公開となった。
最大の特徴は、3Dマシンガイダンス(3DMG)を標準装備した点にある。バケット刃先の位置情報をセンサーやGNSSアンテナで取得し、3次元設計データと組み合わせてモニターに表示することで、熟練オペレーターと同様の高精度な施工を実現。丁張や検測作業を省略し、補助員削減に寄与する。
加えて、衝突を避ける範囲を設定して自動停止するジオフェンス機能、360度周囲の人と物を検知し、速度制御や自動停止を行う衝突軽減システム「KomVision」により、安全性も向上した。
PC200i-12は性能面だけでなく、作業環境の快適性も大きく進化している。キャビン幅を約5センチ広げ、居住性を改善。前モデル「PC200-11」と比較して右下の視界性が50%改善し、足元では30%広がった。また、車体後部のエンジンフードをフラットにすることで、後方の視認性も高まっている。
さらにエアサスペンションシートやキャビン上部のエアコン吹き出し口、板厚を増した作業キーなど、細部にまで作業者目線での改良を施している。メンテナンス性も向上し、地上から容易にアクセスできる構造となった。担当者は「初代PC200から30年以上にわたり寄せられたユーザーの声を形にした」と胸を張る。
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