国土交通省は、延べ床面積3000坪未満の中小ビルを対象としたバリューアップ改修に関するモデル調査事業に、日建設計の「ゼノべプロジェクト」や東急不動産の「COERU渋谷道玄坂」など計12件を採択した。
国土交通省は2025年12月26日、「中小ビルのバリューアップ改修投資の促進に向けたモデル調査事業」の第2期募集で、日建設計や東急不動産など12件の取り組みを採択したと発表した。
調査事業では、改修時期を迎えた中小ビルをモデルに、社会課題に対応するバリューアップ改修の在り方や改修による効果の把握/発信を行う。築20年以上、延べ面積3000坪未満で、改修前の用途が住宅以外のビルが対象。これから改修を行うビルの「改修提案」を5件、改修を完了した「既改修事例」を7件採択した。
改修提案のカテゴリで採択された日建設計の「日建設計後楽園ビル ゼノベ改修案件」では、東京都文京区にある新築年1992年(築33年)、地上8階/地下1階、延べ床面積6283.04平方メートルの既存ビルを改修する。環境性能と経済価値の向上の両立により、築古ビルへの環境投資を促進する取り組みを「ゼロエネルギーリノベーション(ゼノべ)プロジェクト」と位置付けて推進している。
断熱性能の向上や高効率設備への変更、空調設備容量の合理化などを実施してCO2排出量削減を進めるとともに、近年のオフィスニーズを踏まえ入居者専用ラウンジの新設やテナントのウェルビーイングの実現を図る計画だ。
審査を担当した外部委員会は、老朽化したオフィスビルの多くが直面する環境性能の不足と賃料競争力の低下という課題を明確に示し、2050年ネットゼロに向けたZEB化推進とバリューアップの先導的な役割を果たそうとしている点などを評価した。
改修提案ではこの他、大成建設の「マードレ松田ビル改修プロジェクト」、サンフロンティア不動産の「TRUST VALUE 神田須田町RN工事」「本町ハイエストビルRN工事」「THE PORTAL IWAMOTOCHO RN工事」が採択された。
既改修事例に採択された東急不動産の「COERU渋谷道玄坂」は、新築年1985年(築40年)の地上10階/地下1階、延べ床面積954.01平方メートルのビルを改修したプロジェクト。新築当初、カプセルホテルや店舗として利用されていたが、3階にサウナを新設したことで積載荷重が超過し、是正が求められていた。
建物全体の減築工事などを行い、サウナを除く4階以上の外壁コンクリートを解体し、新たな開口部を設けることで順法性を担保しながら上層階の採光と眺望を確保した。上層階はセットアップオフィスに用途変更。スタートアップ企業が入居している。
外部委員会からは、採光の確保/セットアップ/サウナとの混合など、渋谷エリアと今のオフィスマーケットに適合したビルへ再生したことで物件の魅力度を向上させた点が評価された。また、改修後の賃料水準が近隣の新築セットアップオフィスと同等で、改修により空間性能を新築級にまで高めた効果が確認できるなどの評価を受けた。
既改修事例にはこの他、プロフィッツの「BLOCKS恵比寿」、AP STUDIOの「成城学園前プロジェクト」、アマネクの「アマネクイン別府」、東郷神社の「東郷の杜 東郷記念館」、安田不動産の「HAMACHO FUTURE LAB」、リアルゲイトの「渋谷区千駄ヶ谷3丁目再生PJ」が採択された。
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