住宅の省エネ化支援を強化する2025年度補正予算案が閣議決定された。GX志向型住宅や長期優良住宅、ZEH水準住宅の新築補助に総額1750億円を計上した他、省エネ改修では高断熱窓への改修に総額1125億円、高効率給湯器に570億円などを盛り込んだ。
政府は2025年11月28日、住宅の省エネ化支援を強化する2025年度(令和7年度)補正予算案を閣議決定した。
新築では、国土交通省と環境省の「みらいエコ住宅2026事業」として補助金の総額1750億円を計上。GX(グリーントランスフォーメーション)志向型住宅や子育て世帯向けの長期優良住宅、ZEH水準住宅の新築(注文住宅/分譲住宅/賃貸住宅)を促進。補助額は、最大でGX志向型住宅に1戸当たり110万円を補助する(建築物省エネ法の1〜4地域は125万円)。
対象住戸の床面積は50〜240平方メートル。災害リスクが高い区域など、立地条件によっては原則対象外。性能要件は、GX志向型住宅の場合、断熱等級6以上を基本に、一次エネルギー消費量の削減率は再エネ除く35%以上、再エネを含む場合は100%以上を求める。合わせてHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)の設置なども要件に含めた。
長期優良住宅やZEH水準住宅は断熱等級5以上、再エネ除く一次エネ削減率20%以上で、再エネやHEMSは必須にしていない。
申請受付は予算上限まで(最長で2026年12月31日まで、ZEH水準住宅の注文住宅は2026年9月30日まで)。
省エネリフォームでは断熱窓や高効率給湯器、賃貸集合住宅の給湯器更新、開口部/躯体などの改修などを対象に、国土交通省、経済産業省、環境省の3省が連携して支援する。
高断熱窓への改修は1125億円。熱貫流率Uw1.9以下、建材トップランナー制度2030年目標水準値を超えるものが対象となる。工事内容に応じた定額補助で、1戸当たり最大100万円を上限とする。
高効率給湯器の導入支援は570億円。既存賃貸集合住宅のエコジョーズまたはエコフィールへの取り換えに35億円を確保、追い焚き機能の有無で5万円/台、7万円/台をにベースに、工事内容に応じた加算する。
開口部や躯体などの省エネ改修は、みらいエコ住宅2026事業の一環として、子育て対応改修やバリアフリー改修を促す。改修前後の省エネ性能に応じ、1戸当たり上限40万〜100万円を設定した。
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