福井コンピュータは2025年12月16日、BIM/CIMコミュニケーションシステム「TREND-CORE」の最新版をリリースする。新たに足場や山留を3Dモデル化する機能を追加し、2D図では確認できなかった高所や地下の干渉リスクが把握可能になり、手戻り防止につながる。
福井コンピュータは2025年12月16日、BIM/CIMコミュニケーションシステム「TREND-CORE(トレンドコア)」の最新版となるVer.11をリリースする。
価格は標準プログラムが72万円、仮設計画支援(足場、山留)が各24万円。期限付きライセンスとして、足場と山留の計画機能と3D部品の活用に特化した「TREND-CORE Lite for 仮設計画(足場/山留)」も各15万円(全て税別)で提供する。
国土交通省では、令和5(2023)年度からBIM/CIM原則適用となり、対象工事件数は年々拡大している。令和9(2027)年度からは3Dモデルの工事契約図書化が本格導入の方針で、今後設計段階から施工段階へ3次元モデルの流通が進み、活用ニーズが高まると予想される。
最新版のTREND-CORE Ver.11では、新たに仮設計画支援(足場/山留)の機能をオプションで追加した。足場計画機能では、橋梁(きょうりょう)や護岸、トンネル、法面、ダムといったさまざまな工種での足場計画に対応する。高さなどの情報を3Dで可視化し、従来2D図面では分かりづらかった電線などの周辺設備との干渉リスクや取り合いを具体的に検討可能となり、手戻りの削減につながる。
作成した足場モデルから、工区や節、範囲などの単位で数量を自動集計し、Excel形式で出力することで、積算の精度向上や誤発注の防止に寄与する。また、国内主要仮設メーカー10社の足場マスターをダウンロードし、より正確なモデル作成が可能だ。掲載メーカーは朝日機材、アサヒ産業、アルインコ、JFE機材フォーミング、信和、杉孝、ダイサン、タカミヤ、東阪工業、日建リース工業(五十音順)。
山留計画機能では、「掘削」「山留壁」「山留支保工」「構台」の3Dモデル化が可能になった。2D図面だけでは十分に伝えられない複雑な施工状況も、3Dモデル化することでスムーズな理解を促し、現場での手戻りを削減する。
掘削では、コンクリート構造物を参照した自動掘削処理で、直感的な操作で床掘作成が実現する。掘削土量もリアルタイム表示し、効率的に掘削形状を検討できる。作成した掘削データはLandXML形式の出力に応じ、ICT建機との連携でICT施工に役立つ。
山留壁と山留支保工は、シートパイル、SMW、親杭横矢板、簡易山留の3Dモデル作成に対応。山留足場計画と同じく、土工事に用いる山留壁や山留支保工、構台部材/土量を自動集計し、Excelで出力して積算や見積作成に2次利用できる。
新バージョンではその他、3Dクレーンの吊重量と作業半径の可視化、重量の吊れる範囲を色分け表示などの機能も搭載。他にも、4D施工シミュレーションで注目してほしい箇所の視点登録、3D移動/3D回転(3点指定)の操作性向上に加え、3D部品を170点追加した。最新IFC形式のIFC4やIFC4x3の入出力にも対応し、IFC積算や検定が可能になった。
また、足場/山留機能と3D部品に特化したプログラム「TREND-CORE Lite for 仮設計画」を期限付きライセンスで新たに販売する。TREND-CORE以外のCADで作成した3Dモデルでも、IFCやLandXMLなどの形式でデータ取り込みが可能で、足場/山留プログラムを利用した詳細な仮設計画を検討できる。作成した仮設データは、再びIFCやLandXMLなどで出力して他社ソフトへ取り込める。床掘りデータなどは、ICT建機用のデータとして使える。
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