三井不動産、森永乳業、JR東日本は、「田町駅西口駅前地区開発事業」に着工した。旧森永プラザビル跡地に地上24階建ての複合ビルを整備する。2033年度の全体竣工を目指す。
三井不動産、森永乳業、JR東日本は2025年10月1日、「田町駅西口駅前地区開発事業」に着工した。JR「田町」駅西口駅前の旧森永プラザビル跡地を中心に、地上24階建て、高さ約125メートルの大規模複合ビルを建設する。建物の竣工は2029年3月、緑地広場を含む全体完成は2033年度を予定している。
田町駅西口デッキと都営地下鉄「三田」駅の地下通路に直結する立地に、オフィス、商業施設、産業支援施設を備えたミクストユース型の開発プロジェクトで、敷地面積は約6615平方メートル、延べ床面積は約9万8570平方メートル。基本設計・実施設計・監理・施工は鹿島建設が担当する。
建物の6〜23階はオフィスフロアで、1フロア約935〜990坪と田町/三田エリアで最大級の規模だ。一部フロアには森永乳業が本社を移転する計画だ。4階には社会課題解決に取り組むスタートアップの育成/支援拠点となる産業支援施設、1〜3階にはJR東日本グループのアトレが運営する商業施設を設け、ワーカーや来街者の利便性を高める。
今回の開発では、駅と街が一体となった基盤整備を行う。地上レベルでは交通広場を現状の約1200平方メートルから約3000平方メートルへ拡張し、歩道の拡幅やタクシー乗降場の引き込みを実施して歩行者ネットワークの改善を図る。国道15号沿いの交差点はスクランブル化して安全性を高める。2階レベルでは、田町駅構内の東西自由通路を拡幅し、駅前デッキ広場を約2000平方メートル規模に拡張。三田駅と接続する新たなバリアフリー動線も整備する。2033年度には敷地内に緑地広場を整備し、地域住民やワーカーの憩いの場として開放する予定だ。
また、災害発生時には帰宅困難者の一時滞在施設として機能する。停電時には中圧ガスによる発電で約1週間程度の電力供給を行い、停電/停ガス時でも72時間の電力供給が可能な環境を整備して入居企業のBCPを支援する。
建物内に非常用発電機と常用発電機のコ・ジェネレーションシステムを整備し、電気と熱供給の運用を効率的に行う。また、建物低層部でパッシブデザインを採用し、全体供用空間を半屋外化することで高い換気性を確保するなど、建物の省エネルギー化を推進し事務所用途における「ZEB ready」認証取得を目指す。
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