屋外展示場で実演したのが、アスファルトフィニッシャの運用に関するソリューションだ。住友建機は、生産性、安全性、舗装品質の向上を目指す住友建機の「舗装現場の自動化技術」のブランドネーム「ASTRA(アストラ)」の第一弾となる1.0を、CSPI-EXPO2025初日の2025年6月18日に発売した。
1.0には、施工時のオペレーターの省力化を実現する自動ステアリングと自動スクリード伸縮の自動化技術だ。フィニッシャの前方左右に取り付けたステレオカメラで、現場の型枠や切削面、縁石、ホットジョイントなどの段差を検知して道路形状を認識。ステアリング操作と舗装幅(スクリード伸縮)を自動制御する。
既存のICT舗装装置のような3D測器や設計データは不要で、現場でステレオカメラと操作盤だけを装着して、キャリブレーションもなしですぐに舗装が始められる。手動操作による微調整も可能となっており、利便性と正確性を両立し、機械操作の経験が少ないオペレーターでも操作が容易で人手不足の解消にも寄与する。
ASTRA 1.0オプション付きの機体価格は、7680〜8100万円(税別)。ASTRA 1.0単体での販売や既存建機への後付けには対応していない。
今回の屋外デモでは、舗装工事の全プロセス自動化を見据えた第二弾となる「ASTRA 2.0」の自動ダンプ誘導とホッパ開閉システムを披露した。
アスファルト道路の整備工事は、アスファルトフィニッシャ1台だけで完結しない。敷設するアスファルト合材は、ダンプトラックが運んでくる。また、敷設後にはローラで転圧する必要がある。そのため、フィニッシャ、ダンプ、ローラとの連携がうまくいかないと、舗装品質が確保できず、工程全体の非効率化を招いてしまう。
特にフィニッシャとダンプとの連携は重要で、運んできたアスファルトをフィニッシャが受け取るには、双方が接近しなければならず、フィニッシャ前面にある荷台となるホッパを適切に調整することが求められる。
会場ではフィニッシャに「HA60W-10」を使用。フィニッシャのステレオカメラがダンプトラックとの距離を認識し、作業範囲内に人がいないことも確認。フィニッシャ側面のモニターに、ダンプ運転手への指示を自動で表示するとともに、ホッパも自動開閉した。
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