建設業の労災死亡者は全産業中最多 現場の“死角”をなくすレグラスのAIカメラ第7回 国際 建設・測量展(1/2 ページ)

建機に取り付けるだけで、建設現場の危険を“見える化”するレグラスのAIカメラ「OmniEye」「EagleEyeII」。AIが“現場の目”となる時代を象徴する両製品は、人物検知や建機の自動停止により、労働災害の死亡者数が全産業最多の建設業で三大要因に挙げられる建機との接触事故を回避する。

» 2025年08月05日 09時37分 公開
[加藤泰朗BUILT]

 インテリジェントカメラと画像処理ソフトウェアの開発や製造を手掛けるレグラス(REGULUS)は、「第7回 国際 建設・測量展(CSPI-EXPO2025)」(会期:2025年6月18〜21日、幕張メッセ)に出展。NETIS最高ランク「VE」評価を取得したAIカメラ「OmniEye(オムニアイ)」と「EagleEyeII(イーグルアイツー)」を披露し、現場の安全管理を支援するセンシング技術を紹介した。

レグラスの展示ブース レグラスの展示ブース 写真は全て筆者撮影

死角を見逃さない。人物検知AIカメラ「OmniEye」

 OmniEyeは、小型バックホーやフォークリフト向けに開発したAI搭載の人物検知/警報システム。IP69Kの防水/防塵性を備え、「JIS 1601(自動車部品振動試験方法)」に準拠した振動試験もクリアし、過酷な現場環境でも安定して稼働する。

 半天球カメラで周囲360度をカバーし、半径5メートル以内にいる人物をAIが検知。電気信号として出力し、積層灯の光や音で操縦者に危険を知らせる。

OmniEyeの説明パネル。後方のモニターに映る画像は、ブースに置かれたフォークリフトに取り付けたOmniEyeのカメラが捉えた画像 OmniEyeの説明パネル。後方のモニターに映る画像は、ブースに置かれたフォークリフトに取り付けたOmniEyeのカメラが捉えた画像

 カメラ内蔵のエッジAIで、通信を介さずリアルタイムに人物を判定。立っている人はもちろん、しゃがんだ人や転倒した人、傘などで体の一部が隠れていても確実に捉える。

 検知範囲はPC専用ソフトで、「注意喚起エリア」と「危険エリア(近距離)」の2段階で設定し、操縦席などの検知したくないエリアは除外できる。カメラは最大2台まで搭載可能で、車両の前後に取り付けることで広範囲の監視が実現する。マグネット式のため、柔軟に設置箇所を変えて操縦者の死角をなくせる。

ブースに展示されたフォークリフトには、前方(左)と後方(右)に、2台の半天球カメラを取り付けていた

 カメラ映像は操縦席のモニターで確認し、全方位ドライブレコーダー(USB録画)機能も標準で備える。オプションでは、危険エリア(近距離)で人物を検知した際は、安全回路を作動させて建機を自動停止させる機能も用意し、現場の安全対策が一段と強化できる。

フォークリフトの操縦席に取り付けられたモニター フォークリフトの操縦席に取り付けられたモニター

 担当者はOmniEyeの強みとして、「AI活用のため、現場画像を基に継続的な学習とアップデートが可能だ」と挙げ、現場ごとのニーズに応じられるようになる進化性を強調した。

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