住友建機は、生成AIを建機操作の自動化/遠隔化に活用することを試みている。オペレーターが離れた場所からChatGPTに「目標積載量を10トンにして」「深さ1メートルで掘りたい」などと話しかけると、自動で最適な機能が設定される。また、「今日はダンプの積み込みをする」「現場は石混じりだ」と作業内容や状況を伝えると、対応するICT建機の機能も提案する。
住友建機は、「第7回 国際 建設・測量展(CSPI-EXPO2025)」(会期:2025年6月18〜21日、幕張メッセ)で、人の言葉で建機を操作するシステムを参考出品した。
実機展示では、屋内ブースでバックホーのICT施工専用機「SH200Z-8」や新安全基準も搭載した「SH135X-8」、開発中の電動ショベル「SH135E-8」、屋外展示場では舗装作業を行うアスファルトフィニッシャの自動化技術などを実演した。
昨今の建機には、高度なデジタル技術が導入されている。マシンコントロールやマシンガイダンスはその代表例だが、住友建機ではこれまでにない観点からオペレーターの負荷を軽減する技術開発に取り組んでいる。それは、チャット型生成AIサービスのChatGPTを使った“人の言葉で建機を操作する技術”だ。
デモでは遠隔操作が可能なICT建機を使用し、離れた場所にいるオペレーターがスマートフォン上のChatGPTに声で指示を伝え、自動でライトのON/OFFやワイパー動作などを行った。
今回デモでは安全性を考慮して、簡単な動作のみに限定した。しかし、マシンコントロールやペイロードの設定、作業内容に合わせた機能提案、取扱説明書の検索と回答に加え、理論的には全ての操作が音声で可能になるという。
音声による建機の操作は、開発中の技術として紹介した。実用化すれば、遠隔操作のオペレーターにとって大幅な業務効率化につながるはずだ。
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