戸田建設と西松建設、奥村組は、ネクストフィールドの協力を得て、工事の進捗をスマートフォンで管理できる「進捗Pro」と、濁水処理施設の稼働状況を遠隔管理する「濁水ウォッチャー」を開発し、現場での利用を開始した。
戸田建設と西松建設、奥村組は2025年8月19日、ネクストフィールドの協力を得て、建設現場で汎用的に利用できる2つの現場管理支援アプリを開発し、工事現場での利用を開始したと発表した。新たに開発したのは、工事進捗をスマートフォンで管理できる「進捗Pro」と、濁水処理施設の稼働状況を遠隔管理する「濁水ウォッチャー」で、いずれも「土木工事プラットフォーム」上で利用できる。
進捗Proは、道路占用工事や営業線内鉄道工事など、時間制約が厳しい工事向けに開発した。計画工程に対する進捗をスマートフォンなどを通じて共有し、作業現場と事務所などの遠隔地の双方でリアルタイムに可視化できる。複数の関係者がブラウザ上で進捗状況を打刻、確認できるため、工事継続の可否判断を適切に行える。
濁水ウォッチャーは、濁水処理施設の排出値や薬剤の残量を管理するアナログメータなどをOCRカメラで読み取り、数値化して自動共有する。設定した値を超えるとアラートを発報し、工事担当者に通知する仕組みも備える。遠隔監視が可能になり、現地での確認作業の省力化、リスクの早期検知につなげる。
両アプリは、3社が施工する道路リニューアル工事、鉄道工事、シールド工事などをモデル現場として、有効性を確認した。
土木工事プラットフォームは、情報の一元化によるリアルタイムでの状況の可視化、施工リスク早期発見などを目的に、3社が2024年3月に構築した。
これまで「シールド掘進にともなう振動計測」「地盤掘削等にともなう山留壁の変状計測」のアプリを開発し、3社によるJVで施工中のシールドトンネル工事をモデル現場として検証を進めてきた。振動計測はシールドマシンの振動加速度から換算した地上の振動レベルの予測値を、山留壁の変状計測は山留壁に設置した傾斜計とアンカー軸力計を、それぞれネクストフィールドが提供する建設現場向けダッシュボード「e-Stand」に表示。危険度に応じたアラートの発報システムも搭載している。
3社は他の建設会社向けにも土木工事プラットフォームの提供を開始しており、既に中堅ゼネコンの道路占用工事や、地方ゼネコンの舗装工事で、進捗Proが導入されている。今後も他社利用の拡大を図る。
3社は今後もネクストフィールドと協力し、各社の施工ノウハウと情報基盤を活用しながら、熟練現場監督の知見や感覚を含むナレッジと現場情報を一元化し、技術開発に応用する。これにより継続的に土木工事プラットフォーム内のアプリケーションを拡充していく。
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