新機能の開発と並行して、既存のSPIDERPLUSも顧客の要望を受けて機能強化する。図面メモの共同編集機能やAI音声入力による仕上げ検査の効率化、電子黒板の一括作成機能の追加、承認フローの簡略化などの改善項目が盛り込まれている。
須藤氏は、「建設現場の作業は1人では完結しない。複数の関係者が図面上で同時に作業し、リアルタイムに共有、承認できる環境が不可欠だ」と機能強化の背景を説明。特に図面メモの共同編集は最優先で改善に取り組むとした。
Workspaceを構成する機能は、2000社超の既存ユーザーを対象に順次展開する。料金体系は従来同様のID単位のサブスクリプションモデルを維持し、機能ごとに課金するのではなく全て含めたシンプルな構成で提供する方針が示された
各機能の導入で得られた「ヒト/コト/モノ」に関するデータは蓄積し、将来はAPI連携による顧客基幹システムとの連携や、他社DXツールとの接続も視野に入れている。一元的に集積した膨大なデータを基に、業務最適化につながるAIのナレッジ活用も検討している。
SPIDERPLUSは建設業者を中心に、プラントメンテナンスや一部のデベロッパーにも導入実績がある。今後は元請やサブコンの管理者から、現場の技能者までを含む現場全体での活用を促進し、より広いユーザー層への展開を図るという。
取締役副社長 鈴木雅人氏は「SPIDERPLUS Workspaceは、電気や水道のように“あって当たり前”の現場インフラを目指す。中長期的に当社の中核事業となる存在へ成長させたい」と語った。
スパイダープラスは今後、顧客のDX推進に伴走する「現場の改革パートナー」として、単なるプロダクト提供を超えたコンサルティング支援や業務改善の提案にも注力する方針だ。既にプロフェッショナルサービス部門を設け、顧客の課題に合わせた個別開発にも着手している。
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