複数拠点の熱中症リスクを一元管理、スマート点検支援サービスに新機能 TOPPAN現場管理

TOPPANグループが提供するスマート点検支援サービスに、新機能として熱中症リスク可視化ソリューションが追加された。

» 2025年08月06日 20時00分 公開
[BUILT]

 TOPPANとTOPPANデジタルは2025年8月1日、スマート点検支援サービス「e-Platch(イープラッチ)」に、熱中症リスクを可視化できる新機能を追加した。建設業や製造業向けに提供し、事業者の熱中症対策における安全管理体制構築を支援する。

「e-Platch」熱中症リスク可視化ソリューションの概要 「e-Platch」熱中症リスク可視化ソリューションの概要 出典:TOPPANプレスリリース

 TOPPANとTOPPANデジタルが開発したe-Platchは、無線通信を使用し、点検作業に必要な各種データを自動収集して可視化するシステム。各センサーに設定した閾値を超えると、アラートメールを自動送信する。今回新機能として、LPWA規格のZETA通信による遠隔自動検針を活用した熱中症リスク可視化ソリューションを追加した。電波が届きにくい環境や複数拠点におけるリスクを可視化できる。

 センサーがWBGT (暑さ指数)値や温湿度などを常時監視し、クラウドにデータを蓄積。これまで担当者が広大な敷地を巡回して実施していた計測/記録作業の負荷を低減する。全国に点在する工場や事業所の状況のリアルタイム監視も可能で、拠点横断での状況比較や全社統一の安全基準の適用も容易となる。

 新機能は厚生省労働省が事業者に使用を求めるJIS規格に準拠したWBGTセンサー(JIS B 7922:2023 CLASS1.5)と、熱中症危険度表示パネル(鶴賀電機製造)を採用し、正確なWBGT値の測定と現場のリアルタイムな熱中症危険度情報を提供する。パネルを現場に設置することで、現場の作業員もリアルタイムでWBGT (暑さ指数)値を確認でき、より能動的な安全行動につながる。

 また、温湿度センサーだけでなく、漏水やCO2、電力使用量など多様なセンサーを追加できる点も特徴だ。既存のアナログメーターに後付けするだけで遠隔監視を可能にするソリューションや各種計測器のデータを無線化するデータ変換機器「ZETABOX」を接続することで、大規模な設備更新を行うことなく、工場全体のDX化が進められる。今後も機能拡充を行い、2025年度までに600件の導入を目指す。

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