東急建設は、建築技術者の育成を目的とした総勢100名体制の「支援育成センター」を建築事業本部内に設置し、未経験者の即戦力化や若手技術員の早期育成に向けた取り組みを本格展開している。
東急建設は2025年8月4日、人材強化の取り組みの中核を担う組織として、建築事業本部内に「支援育成センター」を設置し、未経験者の即戦力化や若手技術員の早期育成を本格展開していると明らかにした。
支援育成センターは2025年度に設置した総勢100人体制の組織。独自の「パラエンジニア」制度、「TCディレクター」制度、若手技術員早期育成プログラムなど複数の施策を展開している。
パラエンジニアは、建築未経験者を対象に本部で技術教育を実施し、補助や作業所のサポートにあたる独自の職種だ。既に全国の作業所で導入が広がっている。鉄筋工事などに業務範囲を限定し、少人数制OJTで教育することで迅速にスキルを習得させる。パラエンジニアが補助業務を担うことで建築技術員がコア業務に集中できる環境を整える。
パラエンジニアには明確なキャリアパスが構築されており、将来はコア業務を担う建築技術員やTCディレクターなど専門性の高い職種へのステップアップも可能だ。
TCディレクターは、全国の作業所と本部をつなぐ窓口を一本化し、計画段階から竣工までをワンストップで支援するために設定された職位だ。着工時に支援内容の調整と確定を行い、施工中は支援内容の見直しや相互連絡の他、CCUS(建設キャリアアップシステム)、働き方に関する指導や相談対応なども担う。センター内で現場状況を共有し、支援することで、業務効率や品質の向上、残業時間の削減、若手技術員のエンゲージメント向上つなげる。
若手技術員早期育成プログラムは、1〜10年目の技術員を対象とした実務重視型の少人数制育成だ。所長経験者中心のベテラン技術員がサポーターとなり、訪問やリモートで若手技術員の業務フォローや相談に応じることで、現場での課題解決能力や施工力の向上につなげる。また、新入社員鉄筋工事育成プログラムでは、パラエンジニアが新入社員に配筋写真の撮り方を教える過程で構造図の読み方を習得させる。
東急建設では、パラエンジニア制度、TCディレクター制度、若手技術員早期育成プログラムを一体的に展開することで、ワンストップでシームレスな全方位型支援を実現。今後、取り組みで得た知見を社内の他事業部門へ横展開し、組織全体の強化と発展に寄与する。
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