中古住宅とリノベ費用を“総額”で提案 パナソニックが3つのデジタルツールで工務店を支援リノベ(3/3 ページ)

» 2025年07月22日 11時14分 公開
[黒岩裕子BUILT]
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工務店によるリノベーションの即時提案が可能な3つの機能

 リノリッチは、工務店による即時提案を支える3つのデジタルツールを備える。

即時提案を支える3つのデジタルツール 出典:パナソニック ハウジングソリューションズ

 1つ目は物件検索システム「リノ速(リノソク)」。ポータルサイトには出回らない非公開物件も含め、物件価格とリノベーション費用の総額で検索、一覧表示による比較が可能だ。駅からの距離や学区、用途地域に加え、ハザードマップ情報も重ねて表示でき、利便性と安全性の両面から比較検討できる。物件ごとに「フル」「LDK」「水回り」の3パターンの概算リノベーション費用が表示される。

「リノ速」利用イメージ 出典:パナソニック ハウジングソリューションズ

 2つ目が「モデルプラン集」で、全国主要都市で流通するマンション間取りを分析し、5つの「くらしテーマ」(家事/収納、仕事、家族/子ども、趣味、ペット)や空間ごとのこだわりを反映したプランを提供する。

即時にプランの提案が可能 出典:パナソニック ハウジングソリューションズ
モデルプラン例 出典:パナソニック ハウジングソリューションズ

 3つ目が「邸別積算ツール」だ。物件の専有面積などの情報を入力することで、即時にリノベーションの見積書を作成できる。事前に原価登録が必要で、工事単価の設定が可能な工務店ならではの機能といえる。

邸別積算ツールで見積もりを即時に作成 出典:パナソニック ハウジングソリューションズ

 サービス提供エリアは、加盟店が入会、営業を開始した地域から順次拡大する。トライアル実施済みの千葉県松戸市や柏市を皮切りに、今後は加盟店の拡大に応じて全国展開される見通しだ。

 今回のサービスはマンションが対象となる。間取りや構造が比較的均一で、リノベーション工事の標準化がしやすいためだ。戸建て版は断熱性能向上リフォームなど個別対応が求められるため、2025年度中の提供開始を目指し、準備を進めている。

 加盟要件にあたっては3制度いずれかへの加入に加え、リノベーション実績と宅建業の保有が条件となる。

 松川氏は、「工務店主導で中古住宅とリノベーションの提案ができる環境を整えることで、加盟店の新たな事業成長を後押ししたい」と語る。リノリッチ通じて、加盟店が「町の中古住宅プロショップ」として地域に根差した役割を果たせるよう、支援体制を強化していく。

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