ミライト・ワンは2025年5月13日、2024年度決算と2025年度経営戦略を発表した。2024年度の売上高は、国内外のデータセンター需要増加に伴うケーブリング事業や再エネ、西武建設のリノベ、国際航業の土木インフラ系コンサルが寄与し、過去最高となる受注高6292億円、売上高5786億円となった。
大手通信キャリア向けの電気/通信工事を手掛ける大手通信建設会社のミライト・ワンは2025年5月13日、東京都江東区の本社豊洲ビルで2024年度決算と2025年度経営戦略を発表した。
2024年度の決算概況では、受注高は前年比で802億円増となる6292億円となった。2023年度の5490億円から14.6%増となる数字で、代表取締役社長の中山俊樹氏は要因を「通信分野以外の事業が大きく伸びた」とした。
通信キャリア工事の「キャリア事業」と、それ以外の「非キャリア事業」の2024年度受注高の割合は37%と63%。非キャリア事業では、街づくりや企業DX/GX、グリーンエネルギー事業、ソフトウェア事業、グローバル事業の事業分野から成る「みらいドメイン」が構成比45%となるなど着実に増加している。
売上高も受注高同様に伸び、全体では2024年度比で603億円増の5786億円。環境社会事業が伸びた一方、ICTソリューション事業はトータルで横ばい。中山氏は「データセンターとソフトウェアが伸び、物販などが減少するなど入れ替えがあった」と説明。通信基盤ドメイン(キャリア系事業)はNTT系が増加、他の通信キャリアや自治体、民間企業のネットワーク工事や保守などのマルチキャリア系は減少したが、トータルで微増となった。
事業部門別の売上高では、環境/社会イノベーション事業が前年度比600億円増の2038億円。
中山氏は「ミライト・ワンで再生可能エネルギー関連工事、電気や空調、土木水道分野などで増加している。2022年3月からグループとなった西武建設は建築/リノベーション分野が好調なのに加え、国際航業が企画/コンサル事業でフルに加わり、通年の売上増に貢献している」と述べた。
西武建設単体では、業界全体の担い手不足や時間外労働上限規制の適用、労務費を含めた物価上昇などで事業環境が厳しさを増しているものの、堅調な受注環境のもと官公庁や民間の大型案件を受注。受注高は989億7300万円(前期比52.9%増)、売上高は715億8400万円(前期比6.9%増)。
国際航業は、測量、調査、計画、設計などグループで掲げるフルバリュー型を加速する「縦の統合」の実現に向け、上流工程を担っている。空間情報技術をベースにした脱炭素や国土強靭化分野、インフラ維持管理DXを進め、受注高は479億5000万円、売上高は495億2900万円となった。
ICTソリューション分野は、前年度比2億円増の1433億円。「前年度に大口案件があったLANの反動減とキャリア向け通信機器の物販などの分野が減少した。需要は旺盛でデータセンター、クラウドグローバル事業が伸長。ソフトウェア事業も堅調に推移している。ICT分野全体で、不採算案件の影響が無くなり、利益増につながる売上内容の変化/改善で、ミライト・ワンの強みとなるICT事業で収益性と利益性が復調した」(中山氏)。
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