大成建設は、AIを活用して、既存の空調システムを改修することなく運転を最適に制御できるクラウド型街区エネルギー管理システムを開発した。JR名古屋駅直結の超高層複合施設で2025年12月から本格運用を開始する。
大成建設は2025年7月11日、既存の空調システムなどを改修することなく、AIで設備の運転を最適に制御し、省エネと快適性を低コストで両立できるクラウド型街区エネルギー管理システム(クラウド型CEMS)を開発したと発表した。
クラウド型CEMSは既に、ジェイアールセントラルビルが運営/管理するJR名古屋駅直結の高層複合施設「JRセントラルタワーズ」に試験導入されている。2025年12月からは、定額制の省エネサービスとして本格運用を開始する予定だ。
新システムでは、建物の使用状況や運用データ、天気予報などを基にAIが最適な運転計画を立案し、空調などの設備を自動制御する。クラウド型システムのため初期コストを抑えられ、遠隔地から複数施設のエネルギー設備を管理/制御できる。また、関係者間での円滑な情報共有が可能になり、最新データや専門家の知見を柔軟に反映しながら、効率的な省エネ運用を実現する。
既存の建物にデータ収集装置を設置するだけで導入でき、建物の運用状況に応じてクラウド上で機能を随時アップデートできる仕組みだ。システムは、ISO27001とISO27017認証を取得済みで、高水準の情報セキュリティ体制を備える。
大成建設は今後、クラウド型CEMSを既存の超高層複合施設にとどまらず、多様な建物で展開していく考えだ。
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