東急建設とタグチ工業は、近畿地方整備局発注の和歌山県内のトンネル工事で、LiDARを活用した「ベルトコンベヤ土量管理システム」の試験導入を開始した。
東急建設とタグチ工業は2025年7月9日、近畿地方整備局発注の和歌山県「有田海南道路1号トンネル工事」で、LiDARを活用した「ベルトコンベヤ土量管理システム」の試験導入を開始したと発表した。
トンネル工事では掘削時に発生する岩片や土砂(ズリ)搬出のために連続ベルトコンベヤーを使用する。ズリの搬出状況によっては設備の損傷や作業効率低下のおそれがあるため、クラッシャーに監視員を配置する必要があった。
新システムは、ベルトコンベヤー上のズリ量をLiDARで計測し、データの解析結果を基にクラッシャーのフィーダー振動数を自動制御。ズリの量に応じてベルトコンベヤーへの供給量を調整する。設備停止時間削減やクラッシャー監視員の削減、切羽周辺作業員の配置最適化により工事の省人化と安全性向上が見込める他、ズリ搬出にダンプトラックを使用しない構成とすることで、CO2排出量の削減効果も期待される。
ズリ量の計測データは指定した間隔でシステムに記録される仕組みとなっており、トンネル掘削の土量管理にも利用可能だ。
今後は長距離NATMトンネル工事への適用を進める方針。将来は短距離への適用も視野に入れている。
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