東急建設は、マック、レントと共同で、山岳トンネル工事の死傷災害防止を目的に、切羽遠隔監視システムの試験導入を開始した。
東急建設は2025年7月3日、マック、レントと共同で、山岳トンネル工事の死傷災害防止を目的に、切羽遠隔監視システムの試験導入を開始したと発表した。監視責任者が作業エリアから距離を置いて、安全に切羽監視を行える環境の構築を目指す。
新システムは、重機に搭載した監視カメラと集音マイクから、後方の監視車両へ4K映像/音声専用無線を送信する。機器の設定や制御は別途設けた制御用無線(Wi-Fi)を通じて行うため、通信負荷による監視画像や音声の遅延などが発生しない仕様だ。
切羽監視責任者は、車両内の4Kモニターとスピーカーを使用して監視を実施。ジョイスティックによるパンチルトズームを使うことで、湧水箇所や切羽性状を安全な距離から確認できる。加えて、画像の3方向同時監視や非常ボタンによる警報発報機能なども備えている。
国土交通省近畿地方整備局発注の和歌山県有田市と海南市にまたがる「有田海南道路1号トンネル」で試験導入を実施し、その結果、新システムにより目視監視と同等以上の安全衛生水準が達成できる可能が示唆された。切羽監視責任者の被災リスクの低減と心身的負担の軽減、さらには担い手不足への対応にも貢献が期待されるとしている。
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