東急建設と東京都市大学は共同で、「RGB-Dカメラ」を用いて、肌落ちとそれ以外の支障物を判別したマスク画像を抽出し、高精度に肌落ちを検知する他、肌落ち箇所と回数を時系列に蓄積したデータを応用することで危険度を定量的に判定することもできる新ソリューションを開発した。
東急建設と東京都市大学は共同で、山岳トンネル工事における掘削の最先端「切羽(せっぱ)」で発生する岩片の落下「肌落ち」を画像処理技術でリアルタイムに検知するソリューションを開発したことを2020年12月8日に発表した。
山岳トンネル工事における切羽面からの肌落ちは、死傷災害の主な原因の1つで、安全性向上のためには切羽を常時監視することが不可欠だが、従来の目視による監視は主観的な評価になりやすいという問題があった。
また、東急建設ではこれまで、カメラ画像を用いた肌落ち検知方法を検討してきたが、通常のカラー画像(RGB画像)では重機などの支障物が画像に入り込み、肌落ちを誤認識してしまうという課題が存在した。RGB画像とは赤、緑、青といった三つの原色を混ぜて幅広い色を再現した画像。
そこで、東急建設と東京都市大学は今回の新ソリューションを開発した。新ソリューションは、RGB画像と距離画像(Depth画像)を同時取得できる「RGB-Dカメラ」を使用している。Depth画像とは、カメラからの距離を測定し遠近感を表現した画像。
RGB-Dカメラは、肌落ちとそれ以外の支障物を判別したマスク画像を抽出し、高精度に肌落ちを検知する他、肌落ち箇所と回数を時系列に蓄積したデータを応用することで危険度を定量的に判定することもできる。
新ソリューションの開発に当たっては、東急建設と東京都市大学 情報工学部 教授 包 躍(バオユエ)氏の研究グループが共同研究を行った。包躍教授の研究グループでは、最先端の視覚情報処理技術の研究を進めており、新ソリューションの開発においては視覚情報処理技術と高度な専門知識を生かした。
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