技研製作所の鋼管杭回転切削圧入工法「ジャイロプレス工法」が、シンガポールの研究施設の建設事業で採用された。
技研製作所は2025年6月12日、鋼管杭回転切削圧入工法「ジャイロプレス工法」が、シンガポールの研究施設の建設事業で採用されたと発表した。回転切削圧入機「ジャイロパイラー GRV1230」を用いて、長さ12メートル、直径1200ミリの鋼管杭を43本圧入。延長約54メートルにわたって土留め壁を構築した。
工事は技研製作所の圧入機ユーザー向け総合支援サービス「GTOSS ASIA」会員のシンガポールの現地企業Guan Chuanが実施し、既に完了している。技研製作所グループの技研施工がコンサルティング支援を行った。シンガポールでのジャイロプレス工法の採用は今回が初めて。
ジャイロプレス工法は、先端に「リングビット」と呼ばれる切削爪を付けた鋼管杭を回転圧入させ、既存構造物や硬質地盤を貫通して粘り強いインプラント構造物を構築する工法。既存構造物を打ち抜けるため残置物の撤去が不要で、掘削機による事前掘削の必要もないため、工期と工費が縮減できる。またジャイロパイラーは軽量でコンパクトな機体が既設杭を確実に把持するため、原理上転倒の危険性がなく、振動や騒音を抑えながら周辺環境にも配慮した施工ができるという。
シンガポールは国土が狭く、人口や施設が密集する地域が多い。今回の建設地も杭間の狭さや軌道の難しさが懸念されていた。そこで技研製作所は、杭精度管理システム「インプラントNAVI」を投入し、杭の挙動をリアルタイムで把握することで杭の挙動をリアルタイムで把握することで計画通りの圧入施工を行った。
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