日立製作所と日立ビルシステムは、茨城県ひたちなか市の水戸事業所で、エレベーター新設需要の約8割を占める標準型エレベーター次世代機の開発拠点を新設する。高さ213メートルのエレベーター研究塔に隣接する敷地で、2025年7月に着工する。
日立製作所と日立ビルシステムは2025年6月9日、昇降機(エレベーター/エスカレーター)の製造拠点がある茨城県ひたちなか市の水戸事業所に、次世代エレベーター技術を開発する施設を建設すると発表した。
新開発施設は、日本国内のエレベーター新設需要の約8割を占める標準型エレベーターの次世代機の開発に加え、老朽化したエレベーターのリニューアル需要に応える製品開発を推進する。
所在地は茨城県ひたちなか市市毛1070番地で、地上4階建て高さ49.5メートル、建築面積は591平方メートル。水戸事業所内のエレベーター研究塔「G1TOWER(ジーワンタワー)」に隣接した敷地に建設し、2025年7月の着工、2026年8月の竣工後は研究開発設備を整備し、2027年2月に運用を開始する。
G1TOWERは地上高213メートルで、エレベーターの研究施設の高さとして2010年4月の竣工時点で高さ世界一を謳(うた)っていた。この記録は2025年6月に、日立電梯が中華人民共和国広州市に有する、地上高273.8メートルのエレベーター試験塔「H1 TOWER(エイチワンタワー)」によって塗り替えられた。
今回の建設は、ビルシステム事業の開発機能強化の一環として行う。今後、エレベーターの新設やリニューアルといった製品開発は水戸事業所に集約し、開発スピードを向上させる。一方、亀有総合センターでは昇降機をはじめとするビル設備のメンテナンス技術やビルIoTソリューション「BuilMirai」などのデジタルサービスの開発に注力する。日立は、開発機能の分担と新拠点建設で、ハードウェアとデジタルの両面でビルシステム事業の競争力強化を図る。
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