三井不動産が茨城県つくばみらい市で開発を進めていた「MFLPつくばみらい」が竣工した。ダブル連結トラックが走行、転回可能なスペースを整備し、ドライバー専用の休憩施設も整備。また、サプライチェーンの課題解決を支援する複合用途開発を実現した。
三井不動産は2025年5月8日、茨城県つくばみらい市で開発していた「三井不動産ロジスティクスパークつくばみらい(MFLPつくばみらい)」が竣工したと発表した。
施設の敷地面積は4万1789.89平方メートル、延床面積は9万7972.24平方メートル。2025年4月30日に竣工した。設計・施工はJFEシビル。
施設は常磐自動車「谷田部」ICから約4.0キロ、圏央道「つくば西」SICから約3.6キロに位置し、国道354号線への接続もスムーズだ。都心から約1時間半での配送が可能で、東北方面や関東近郊への広域配送にも対応。また、最寄りのつくばエクスプレス「みどりの」駅から徒歩15分の場所に立地する。
用途面では、テナントのニーズに対応し、倉庫の一部を自動車車庫や部品などの組立ができる工場に変更。通常の物流機能に加え、インダストリアル領域にも対応することで、入居企業のサプライチェーン課題の解決を支援する。
MFLPつくばみらいは、シングルランプ構造で、ランプウェイを介して各階へのスムーズなアクセスを実現する。トラックバースは45フィートコンテナ車両やロングウイング車の接車が可能。1階倉庫の積載荷重は1平方メートル当たり2トンとし、多様な保管ニーズに対応する。将来は垂直搬送機への対応も想定し、保管荷物の動線もフレキシブルに設定できる。
また、三井不動産として初めて、トレーラーとトラックを連結したダブル連結トラックが敷地内で走行/転回可能なスペースを整備した。1台で通常の2台分の物量輸送が可能となり輸送効率が向上する。この他、20台分のトラック待機場付近にドライバー専用ラウンジを設置。ソファ席やリクライニングチェア、カフェカウンターなどに加えて、シャワールームやトイレを完備し、ドライバーがリラックスした状態で快適に休憩できるよう配慮した。
外装は県道沿いのランプウェイ部分を生かし、トップレールとライン照明を組み合わせた夜間でも視認性の高いファサードを採用。内装は四季をテーマに、階ごとのテーマカラーを設け、共用廊下やエレベーターホールをデザインした。最上階の5階には、天井高約4.5メートルの「スカイラウンジ」を設け、筑波山を望む開放的な休憩スペースを設けた。
屋上には約1600キロワットの太陽光パネルを設置し、発電した電力は館内で消費する。事務所/ラウンジには人感センサー付き空調を導入してエネルギーロスの軽減を図る他、敷地内には4台分のEV充電器を設けて電気自動車での雷管にも対応。これらの環境配慮の取り組みにより、『ZEB』認証、CASBEEAランク、BELS星6を取得している。
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