加藤製作所は、75トン吊りラフテレーンクレーン「SL-750RfIII」を発売した。従来機と比較して小型化した他、カミンズ製環境配慮型エンジンを搭載し、欧州の排出ガス規制にも適合している。
加藤製作所は2025年4月15日、75トン吊(つ)りラフテレーンクレーン「SL-750RfIII」の販売を開始したと発表した。価格は9400万円(税別)からで、年間50台の販売目標を掲げる。
SL-750RfIIIは、従来機と比較して車両全長を270ミリとブームヘッドの横幅を145ミリに短縮し、障害物との接触リスクを低減させた。また、新たに開発した回動リンク式機構をジブホースガイドに標準装備し、ジブセット(アームの張り出し)作業の時間短縮も図っている。
最高出力246キロワット/毎分2000回転、最大トルク1636ニュートンメートル/毎分1100回転を発生するカミンズ製の環境配慮型エンジンを搭載。欧州の排出ガス規制(欧州Stage V)に適合している他、国土交通省の「低騒音型建設機械」「2020年燃費基準達成建設機械」の指定も取得している。
クレーン作業時のエンジン最大回転数を抑える「ECOスイッチ」や、作業待機時に油圧ポンプの吐出量を最小制御する「オートミニマムコントロール機能」も採用し、燃費向上に寄与している。
安全装備としては、LEDフロントアクセサリーライトを標準装備し、昼夜を問わず被視認性を高めている。また、新たに坂道発進補助装置を取り付け、坂道発進時の安全性を向上。走行中の障害物検知を支援する「クリアランスソナーシステム」、周囲を俯瞰して表示する「KATOセーフティビューシステム」、人検知の「人検知アシストカメラ」などの安全機能も選択できる。
クレーン部には、6段高剛性スーパーブームを採用。最大ブーム長は45メートル、最大作業半径は41メートル、最大地上揚程は46メートルだ。伸縮機構にはロックピン方式とフルパワー方式を組み合わせた「HYBRIDZOOM」を採り入れ、作業状況に応じて柔軟に伸縮する。
最大18メートルの3段SLジブや、同社のクレーンシステム「EJIB」も搭載。無線式吊荷監視カメラ用の電源供給システムで、バッテリー交換不要でカメラを使用できる。補巻性能に関しては、ルースターの最大吊上げ性能が5.0トンに対し、中間ブーム使用時には最大5.6トンのラインプル性能を確保している。
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