ブースでは、自社製品との組み合わせで相乗効果が期待される他社製品も展示していた。その1つが、オリオン機械の業務用天吊型除湿機「RB500G-T」だ。自動車用エアコンで広く採用されているノンフロン冷媒「HFO-1234yf(ハイドロフルオロオレフィン)」を業務用除湿機に転用した注目の製品だ。
従来の業務用除湿機に多く用いられるHFC-R410Aなどと比べ、地球温暖化係数(GWP)が大幅に低い環境配慮型の冷媒で、「ノンフロン」に分類される。そのため、フロン排出抑制法の規制対象外となり、冷媒の回収義務や定期点検が不要で、管理に掛かるコストや手間を削減できる。製品担当者は「今後の普及には、ノンフロン冷媒のメリットをどれだけ明確に伝えられるかが重要となる」と語った。
東和産業の「エコクーリングエース」も、環境配慮型製品として訴求した。エアコンの室外機に取り付けたフィルターに水道水を散水し、蒸発潜熱で吸気温度を下げる冷却装置だ。東和産業の調査によると、外気温35℃の環境で吸込空気温度を約6℃下げ、エアコンの消費電力を約19.2%削減したという。「消費電力の削減が、結果的に脱炭素社会への貢献にもつながる」と製品担当者は話す。
年々高まる暑さ対策へのニーズに応えるべく、多彩な製品を提案した今展のブース。今後の展開について、「暑さ対策の製品は、正直出尽くした感がある。だからこそ、いかにその存在や価値を知ってもらえるかが重要だ。いくら良い製品を作っても、発信するだけでは導入にはつながらない。今後は展示会のような場を活用し、直接魅力を伝えいきたい」と展望を明かした。
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