別子銅山の木を1000本使用した万博パビリオン「住友館」公開 森をめぐる冒険で「いのちの物語」を体験大阪・関西万博(4/4 ページ)

» 2025年04月07日 09時22分 公開
[松永弥生BUILT]
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「UNKNOWN FOREST パフォーミングシアター」

 マザーツリーが示すルートに沿って行き着いたのは「UNKNOWN FOREST パフォーミングシアター」。

 幅20×高さ7.5メートルのパフォーミングシアターを舞台に、風や霧の演出、音と光が一体となった没入型のパフォーマンスが繰り広げられる。

舞台装置は、ミュージカルなどに実績を持つ美術チームが手掛けた

 舞台は3層のレイヤー構造で構成。奥には巨大なLEDビジョン。演者の動きを効果的に見せる舞台装置。観客の目の前にはプロジェクターから立体的に映像を投射するメッシュスクリーン。映像、音楽、人の動き、空間に漂う風や霧が、見る者の感覚を揺さぶる。

パフォーミングシアターの特徴的な舞台装置 パフォーミングシアターの特徴的な舞台装置 提供:住友EXPO2025推進委員会
シアターを出ると、UNKNOWN FORESTの地図とジオラマが展示されている。ジオラマにはどこにどんな生物が潜んでいるのかが記されている。会えなかった生物にまた、会いにこよう

生成AIによるアイデア創出の「ミライのタネ」と「森のがっこう」で植林体験

 住友館は過去を語るだけではない。もう一つの展示「ミライのタネ」では、住友グループの700を超える最先端技術や取り組みをもとに、誰もが「ミライのアイデア=ミライのタネ」を創出できる参加化型共創プロジェクトのWebプラットフォームを用意している。

「ミライのタネ」のコンセプト 「ミライのタネ」のコンセプト
壁面にずらりと住友グループの先端技術を活用した「ミライのタネ」が並ぶ 壁面にずらりと住友グループの先端技術を活用した「ミライのタネ」が並ぶ

 プロジェクトの中核となるのは、生成AIによるアイデア創出のオンライン上の共創プラットフォームだ。万博会期中にオープンする特別サイトで、世界中どこからでも、誰もがミライのタネを作れる。閉幕後には「レガシー施策」として住友グループのWebサイト上にアーカイブされる。

 前述したように、今回のパビリオン建設では住友グループがこれまで大切に育ててきた四国“別子の森”から建築用の木々を伐採した。その伐採場所に新たな苗木を植え、未来に続く森づくりを行う。その植林作業の一部を「森のがっこう」とし、次世代を担う子どもたちが参加できる「植林体験イベント」をパビリオン内でも実施する。

 対象は主に小学生で、1日4回1回15人が参加できる。事前予約が必要だが、空きがあれば当日でも先着順で受け付けるそうだ。

「森のがっこう」では主に小学生を対象とした植林体験を行う 「森のがっこう」では主に小学生を対象とした植林体験を行う
壁面には、植林体験をしたポッドを並べる。一つ一つに植林した子どもの名前を記載 壁面には、植林体験をしたポッドを並べる。一つ一つに植林した子どもの名前を記載
植林した苗木の成長をWebやバスツアーで見守れる 植林した苗木の成長をWebやバスツアーで見守れる
出口にある「UNKNOWN FOREST SHOP」。ヒノキを精製したアロマオイルも販売している

「住友館」画像一覧: ※クリックで拡大

住友館 正面。別子の山並みをイメージし、山が重なっているような感じの外観となっている 住友館 側面。向かって右手が正面エントランス。左手が出口でショップがある 住友館エントランス 最後に残った木材の芯を活用したベンチ 冒険のパートナーとなる風の力を宿す「ランタン」 森の入り口でランタンを手渡され、冒険が始まる 光る切株にランタンを置くと、木の根元で狼が子育てをしている姿が見えた キノコが光と共に演奏を始める 来場者がランタンに集めた「いのちの物語」をマザーツリーへ託す 自分の「ランタン」の色に従い、木の根を通り抜けて次のエリアに進む パフォーミングシアターの特徴的な舞台装置 「ミライのタネ」のコンセプト 壁面にずらりと住友グループの先端技術を活用した「ミライのタネ」が並ぶ 「森のがっこう」では主に小学生を対象とした植林体験を行う 壁面には、植林体験をしたポッドを並べる。一つ一つに植林した子どもの名前を記載 植林した苗木の成長をWebやバスツアーで見守れる


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