別子銅山の木を1000本使用した万博パビリオン「住友館」公開 森をめぐる冒険で「いのちの物語」を体験大阪・関西万博(3/4 ページ)

» 2025年04月07日 09時22分 公開
[松永弥生BUILT]

ランタンに導かれ“森を歩く”という没入体験「UNKNOWN FOREST」

 住友館最大の見どころが、UNKNOWN FORESTと名付けた体験型展示だ。来場者がただ観るのではなく、自ら歩き、感じることで今まで聞こえなかった、見過ごしていた「いのちの物語」に触れる森となっている。

冒険のパートナーとなる風の力を宿す「ランタン」 冒険のパートナーとなる風の力を宿す「ランタン」
森の入り口でランタンを手渡され、冒険が始まる 森の入り口でランタンを手渡され、冒険が始まる

 来場者はランタンを片手に暗い森の中へ足を踏み入れる。ランタンは光の色を変えたり、プルプルと震えたり音声で語りかけてくる。

 光る切株にランタンを置いたり、光る枝にランタンを吊(つ)るしたりすると、それまで闇に隠れて見えなかった森の中で生活する生物の姿が現われる。木の根の奥に潜む動物、菌類の光、何百年もの記憶を宿す木々の会話。それぞれが、いのちの物語として来場者の前に現れる仕掛けだ。

光る切株にランタンを置くと、木の根元で狼が子育てをしている姿が見えた 光る切株にランタンを置くと、木の根元で狼が子育てをしている姿が見えた
光る枝にランタンを吊るしたら、リスが巣に餌を食べに戻ってきた
キノコが光と共に演奏を始める キノコが光と共に演奏を始める

 やがて来場者は森の奥深くにある巨大な「マザーツリー」へと導かれる。マザーツリーは森の全ての命を見守り、調和を保ってきた存在。来場者は、ランタンに集めたいのちの物語を最後にこのマザーツリーへ託す。

来場者がランタンに集めた「いのちの物語」をマザーツリーへ託す 来場者がランタンに集めた「いのちの物語」をマザーツリーへ託す
自分の「ランタン」の色に従い、木の根を通り抜けて次のエリアに進む 自分の「ランタン」の色に従い、木の根を通り抜けて次のエリアに進む

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