社会インフラの老朽化や人材不足が深刻化するなか、インフラ維持管理を支える技術には実用性と持続可能性が求められている。東京電力パワーグリッド100%子会社の東京電設サービスは、電力インフラの現場で培った技術力を生かし、測定ロボットや錆落とし用電動工具、塗料洗浄液、防錆力再生技術といった独自技術で社会インフラ全般の長寿命化に挑んでいる。
メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025(会期:2025年7月23〜25日、東京ビッグサイト)の専門展示会「第19回 インフラ更新・維持管理・更新展」には、社会インフラ設備の長寿命化を支える最新技術を扱う企業が集結した。
東京電力パワーグリッド100%子会社の「東京電設サービス(TDS)」もその1社だ。水力発電から地中送電線まで幅広い電力流通設備の保守管理を担ってきた経験を強みに、社会インフラの長寿命化を実現する4つの新技術を披露した。
「大口径厚さ測定ロボット」は、発電所の水圧鉄管や水管橋など、管径750ミリ以上の大口径鋼構造物の厚さを内外から測定する。ラジコン方式で遠隔操作しながら診断するため、足場は不要だ。車輪には永久磁石が取り付けられており、管に吸着しながら走行するため、診断方向は管軸/円周を問わない。ブース担当者は「人が立ち入れない場所や足場を組む必要がある箇所でも、ロボットの遠隔操作であれば安全かつ効率的に点検できる」と説明した。
診断には超音波を用いるため、断水しなくても水管内部の劣化情報を正確に把握。高精度CCDカメラも搭載し、外観も確認できる。1ミリピッチで高精度かつ広範囲に連続測定することで、定点測定では検出できない最大減肉箇所なども検出可能だ。測定データはビジュアル化され、劣化状況が直感的に分かる。
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