「現場従事者の安心安全を守る」竹中工務店が示す姿勢 点検用モノレールから日本初上陸の健康ドリンクまで第10回 JAPAN BUILD OSAKA(1/3 ページ)

竹中工務店は建設現場を支える技術革新と同時に、そこで働く職人や協力会社の健康/安全を守ることにも重点を置く。その姿勢は「建物は人がつくるもの。職人が安心安全でなければ良い建築は生まれない」という理念に基づく。「第9回 JAPAN BUILD OSAKA」の出展ブースに並んだ製品群は、その考えを体現するものとして、最新の点検用ロボティクスから健康支援アイテムまで幅広く披露した。

» 2025年10月08日 07時56分 公開
[松永弥生BUILT]

 竹中工務店は、「第9回 JAPAN BUILD OSAKA−建築・土木・不動産の先端技術展−」(会期:2025年8月27〜29日、インテックス大阪)に出展した。今展は、建設業界のDXや新技術の潮流を象徴する場となった。そうした中で竹中工務店のブースでは、単に建物をつくる会社という枠を超え、「現場で働く人を幸せにする」ことを強く打ち出していた点で際立っていた。

屋外展示場となった「第9回 JAPAN BUILD OSAKA」の竹中工務店ブース 屋外展示場となった「第9回 JAPAN BUILD OSAKA」の竹中工務店ブース 写真は全て筆者撮影

狭所点検を担う次世代の超小型ドローン「JP-Scout」

 最初に目を引いたのは、JP Droneが開発中の狭所点検用ドローン「JP-Scout」。建設現場やインフラ維持管理で、人の立ち入るのが困難な天井裏や地下ピット、ダクト内などを点検するために設計された機体だ。サイズも183(幅)×60(高さ)×197.5(奥行き)ミリとコンパクト。

 従来こうした狭小の点検では足場を組んだり、人が狭所に潜り込んで確認するしかなかった。JP-Scoutは、GPS信号の届かない屋内環境でもビジョンセンサーを用いて自己位置を自律制御できるため、安定して飛行する。操縦者がスティックを離してもその場で静止する「自律ホバリング」機能は、ドローン操縦のハードルを下げる。

 さらにプロペラ全体を覆う外装により、壁に接触しても即座に墜落するリスクを抑えられる。安全性と操作性の両立は、ドローンオペレーターから高く評価されている。

 現在は顧客からのフィードバックを反映しながら改良を進めており、2025年内のリリースを目標に最終調整中だという。

狭所点検用ドローン「JP-Scout」 狭所点検用ドローン「JP-Scout」
「JP-Scout」のサイズは183(幅)×60(高さ)×197.5(奥行き)ミリ。重さは225グラム、バッテリーは100グラム 「JP-Scout」のサイズは183(幅)×60(高さ)×197.5(奥行き)ミリ。重さは225グラム、バッテリーは100グラム
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