“サウナと水風呂”で次の100年を拓く 前田建設 ICI総合センターの意義(前編)建設業の未来を創る技術拠点(1)(5/5 ページ)

» 2025年03月31日 15時00分 公開
[黒岩裕子BUILT]
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廃校活用のモデルケースに

 ICIキャンプは、2016年に廃校となった取手市の「白山西小学校」を活用した研修施設だ。取り壊す財源もなく活用方法が未定の廃校は全国で1000を超える。ICIキャンプでは、社会問題化している廃校活用のモデルケースを確立を目指す。

廃校を活用した「ICIキャンプ」全景 廃校を活用した「ICIキャンプ」全景
ALTALT 各施設をつなぐ木の導線

 廃校活用にあたっては、校舎3棟のうち、耐震性が低かった1棟を解体。さらに、研修室、食堂、厨房の機能を備える「木のえんがわ」を新設した。木のえんがわの屋根は特徴的なV型で15メートルのロングスパン。厚さ50ミリのLVL(単板積層材)と150ミリの鉄骨を組み合わせる「1%の架構体」で実現している。15メートルのスパンに対し、鉄骨だけの場合は梁せい(梁の高さ)は700ミリ程度とスパンの約20分の1を要するが、LVLを組み合わせることで100分の1(1%)とした。

 校舎には最大200人規模まで受け入れ可能な宿泊施設を整備した。西校舎3階には、建築資材にスポットを当てた飲食スペース「資材Bar」も運営し、研修所の利用者や、来客とのコミュニケーションの場として機能している。

屋根には「1%の架構体た採用 「木のえんがわ」内部。屋根には「1%の架構体」採用
ALTALTALT コミュニケーションの場となる「資材Bar」。その名の通り、内容に建築資材を活用している
ALTALTALT なるべく既存の校舎を残す工夫をしている(左)、2段仕様のカプセルベッド(中央)、来客用に全6室の個室も用意(右)
ALTALT かつての小学校の面影がそのまま残る

ICIキャンプ

設計・監理:前田建設工業一級建築士事務所、MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO(マウントフジアーキテクツスタジオ)

施工:前田建設工業 関東支店

構造:既存校舎はRC造、新築部分の躯体はS造(屋根は鉄骨と木(LVL)のハイブリッド構造)

規模:既存校舎 地上4階建て、新築部分 地上2階建て

敷地面積:2万5522平方メートル

延べ床面積:5212平方メートル

後編へ続く。

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