大成建設とラピュタロボティクス、匠は、滑り込み式超低床型自動走行ロボット「MogLifter」を共同開発した。
大成建設は2025年2月14日、ラピュタロボティクス、匠と共同で、建設現場の資機材搬送作業を効率化する滑り込み式超低床型自動走行ロボット「MogLifter(モグリフター)」を開発したと発表した。MogLifterは長尺フレームなどを積んだ台車の下に潜り込んで自動搬送を行うロボット。現場を想定した環境で実証実験を行い、その実用性を確認した。
大成建設は2023年、パレット型とフォークリフト型の自動走行搬送ロボットを開発。「T-DriveX」シリーズとして建設現場で実証運用を行ってきた。しかし、パレット/フォークリフト型は、長尺の資機材搬送時の経路設定に制約があり、広い稼働範囲を確保する必要があるなど課題もあった。そこで今回、長尺の資機材搬送にも柔軟に対応できるMogLifterを開発し、T-DriveXシリーズに追加した。
MogLifterのベース機はケンコントロールズが製造。本体サイズは1520(長さ)×795(幅)×180(高さ、昇降時230)ミリ、重さは346キロ。走行速度は分速50メートル、定格重量は1000キロ。汎用搬出入システムとのアプリケーション連携により遠隔からタブレットなどで操作する。
走行部には全方位に進行可能な球体駆動方式を採用。長尺の資機材運搬時に短辺方向側に移動するなど、現場状況に応じて移動方向や走行形態を選択できる。バッテリー積載量は用途に合わせて調節可能で、台車の下をくぐり抜ける場合は最小構成で、その必要がない場合は稼働時間を優先して最大構成で搬送作業を行える。安全面では、自動走行時に障害物を検知するLiDARセンサー、物理的に接触した場合に停止するテープスイッチも装備している。
また、フォークリフト型ロボットなどと連携することで資機材の受け渡しを容易に行える。大成建設は今後、T-DriveXシリーズの3機種を継続的に実証運用し、連携させて効果的に使い分けることで、建設現場の資機材移動の効率化、現場作業の省力化により、生産性向上を図る。
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