パナソニック ハウジングソリューションズは住宅会社向けに、床材のプレカットオーダー対応を開始する。現場加工を削減して工期を約半分に短縮し、現場廃材を約8割削減できる。
パナソニック ハウジングソリューションズは2025年1月15日、住宅会社向けに、自社床材のプレカットオーダー対応を本格的に開始すると発表した。見積もり開始は2025年4月1日開始を予定し、希望小売価格は3.3平方メートル当たり税込み4000円(床材製品代別/工事費別)。
住宅の中でも大面積を占める床材の施工では、職人が住宅の間取りに合わせて製品をカットして貼り上げるなど、現場ごとに異なる作業が要求される。近年は熟練技術者の不足に伴い、施工品質や工期への影響が懸念されている。
パナソニック ハウジングソリューションズは約2年前から、技術を要する工程を省略可能な床材プレカットオーダーを開始。複数の住宅会社で検証/採用され、工期短縮や廃材の削減などの成果を挙げたことから、今回、本格的な提案を開始する。
プレカットオーダーでは、建築図面(CAD)を基に作成した割付図とプレカット床材をセットで提供し、顧客の施工品質安定化と作業省力化を図る。
割付図の提供に際しては、住宅会社ごとに事前条件の取り決めを行う。工法/柱サイズ/壁厚などの基本的な住宅構造に加え、施工場所や壁/筋交い部の扱いなど床材施工時のクリアランス、サッシ/貼り分け位置/内装ドアの見切り位置/階段や幅木種類といった「取り合い」などの条件を決めた後、物件のCADデータに合わせて割付図を作成する。割付は住宅会社の承認を受け、現場加工によるトラブルを防止する。また、割付図にはどのプレカット床材を利用すべきかを示す割付ナンバーを入れ、間配りの効率化を図っている。
カットされた床材は、割付図とセットで納品。床材裏面には割付図と対応する番号を印字し、割付図通りにクリアランスなどを順守しながら施工することで、採寸/加工/仮並べ作業が不要となる。1人工で約2日程度と、従来の約半分の期間で1棟の床材施工が完了できる。また、現場でのカットを抑えられるため、端材や切り粉などの現場廃材を約8割削減し、現場美化にも貢献する。
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