第7回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−

オンラインで施設案内や接客を可能にする遠隔システム「RURA(ルーラ)」 サービス業の人材不足に対応第7回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−(1/3 ページ)

人手不足が深刻化する中、ホテルの窓口や各種施設の案内カウンターに代表される場でも接客スタッフが足りなくなることが懸念されている。タイムリープが提供する「RURA」は、エントランスなどに設置した画面を通じて遠隔で顧客対応を行うシステム。導入すれば、1人のスタッフで複数の店舗を担当できるようになり、窓口業務の省人化に大きく貢献する。

» 2023年04月27日 06時11分 公開
[川本鉄馬BUILT]

 タイムリープは、「第7回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−」(会期:2022年12月5〜7日、東京ビッグサイト)で、遠隔でホテル接客が可能なシステム「RURA(ルーラ)」のデモを行った。

接客・案内業務を遠隔地から画面越しで可能に

 企業の受付やホテルのフロント、複合施設の案内カウンターなど、来場者を相手に人が対面で行う業務は多い。しかし、この対応を行うには、案内のスタッフが常時待機することが必要だ。また、定形の処理で対応できない問い合わせなどもあるので、完全な機械化が難しい。

 今回、タイムリープが展示した「RURA」は、このような接客・案内業務を遠隔地から画面越しで可能にする。

 このところ、低価格のホテルやネットカフェなどで、受付カウンターにタッチパネルを設置し、客側が自分でチェックインや商品の選択、支払いなどを行うシステムが普及している。しかし、初めて触れるタッチパネルの操作に、手間取る来店者も少なくないようだ。

 受付カウンターにタッチパネル式の装置だけが置かれている場合、その操作法が分からないと、一定数の客はそのまま別の店に行ってしまうことがあるという。RURAは、このような客の取りこぼし防止にも効果がある。

 RURAは、タッチパネルの前にいる客の存在を検知し、その様子を離れた場所にいる接客スタッフに示す。接客スタッフは、客の表情や行動からタッチパネルの操作を観察。客が迷っていると判断したら、RURAの画面に顔を表示し、遠隔で顧客の対応にあたる。そのため、客はタッチパネルを正しく操作して入店や宿泊の手続きできるようになり、客の不安が解消され、顧客満足度のアップにも役立つ。

 RURAは、受付や注文窓口などで人が行うのと同レベルのサービスをリモート環境で提供する。実店舗の受付カウンターや注文窓口などにRURAの端末を設置し、必要に応じて、遠隔で顧客対応を行う。店舗や窓口などの数に比べ、少ないスタッフ数で接客が可能になる。

ハンバーガーショップを模した展示例。中央が注文画面。上に装着されたカメラが客の様子を捉え、必要に応じて左画面が起動し、人が案内する ハンバーガーショップを模した展示例。中央が注文画面。上に装着されたカメラが客の様子を捉え、必要に応じて左画面が起動し、人が案内する

 RURAでは、1人のスタッフが対応する店舗(窓口)の数に限りはない。ただ、担当するRURA端末の数が増えれば、それだけスタッフの負荷は高まり、管理画面も把握できなくなるだろう。展示ブースで顧客説明にあたったスタッフは、「おおよそ12店舗が認識できる限界だ」と説明する。複数のスタッフで共同して顧客対応することも想定されるが、目安としては、9店舗を3人のスタッフで管理する体制であれば、余裕をもって顧客に寄り添った接客ができるという。

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