加藤製作所は、従来のディーゼルエンジンに加え電動モータを装備したハイブリッド式ラフテレーンクレーン「SR-250HV」の受注を開始した。標準小売価格は7380万円(税別)から。外部電源油圧ユニット「EK-UNIT」を標準付属品としており、電源が確保できる建設現場では、電力のみでクレーン作業が行える。
加藤製作所は2024年11月8日、従来のディーゼルエンジンに加え、電動モータを装備したハイブリッド式ラフテレーンクレーン(ハイブリッドラフター)「SR-250HV」の受注を開始した。外部電源油圧ユニット「EK-UNIT」を標準付属品としており、電源が確保できる建設現場では、電力のみでクレーン作業を行える。標準小売価格は7380万円(税別)から。
SR-250HVの最大吊(つ)り上げトン数は25トン、最大ブーム長さは30メートル、最大ジブ長さは13.1メートル、最大地上揚程44.6メートル、最大作業半径は34メートル。2025年2月の発売予定で、5年で100台の販売を目指す。
走行はエンジンと電動モータによるハイブリッド方式で、減速の際は回生エネルギーをバッテリーに充電し、発進時の動力補助に利用する。現場内を低速で移動する場合は電動走行も可能。定地定速走行時には、同クラスのエンジン機と比較して最大で約40%のCO2排出量削減効果が見込める。
また、クレーン作業時は、EK-UNITから油圧供給を受けることで電力のみで作業を行うことが可能だ。電源確保が難しい現場では、従来通りエンジンを稼働させることで作業が行える。
CO2排出量削減に向けて、建設機械分野でもディーゼルエンジン式から電動式への移行が進みつつある。一方で、大型建機の完全電動化に向けては、高出力で大容量のバッテリーが必要となるため生産コストが大幅に上昇するという課題がある。加藤製作所の試算によると、中〜大型機種で従来機と同程度の性能の電動型を生産した場合、販売価格が従来機の4倍程度まで上昇するという。
さらに、国内で充電ステーションの普及が十分でないことや、建設現場に専用充電設備を確保するのが難しいといった問題も指摘されている。
こうした背景を踏まえ、加藤製作所では「適正な価格で、充電切れの心配がなく、CO2排出量削減が可能なクレーン車」を目標に研究を進め、現在の日本市場で最適な製品として、ハイブリッドラフターを開発した。
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