大塚商会は、BoxフォルダにあるBIMモデルを手軽に表示する独自のビュワーを開発した。Webブラウザ上のビュワーでは3Dモデルだけでなく、オブジェクトの属性情報やオブジェクト階層も確認できる。
大塚商会は、建設業でBIMデータの管理ツールとしてオンラインストレージサービス「Box」の利用が進んでいること受け、BoxフォルダにあるBIMモデルを手軽に表示する「Box-BIMビュワー連携システム」を開発した。
昨今、建設業でのBoxの主な用途は、「必要なデータを社内外の関係者間で共有/管理」であり、ドキュメント類だけではなくBIMアプリで作成した設計BIMのデータも共有管理されることが多くある。
Boxの標準機能でPDFやWordなどのドキュメントは表示できるが、BIMデータ(rvt、nwd、ifc)には対応していない。BIMデータを共有された相手が形状や外観を確認したい場合は、データをダウンロードし、RevitやNavisworksといったBIMソフトウェアで確認する必要がある。
Box標準機能ではできなかったBIMモデルの表示機能を補ったのが、今回開発したBox-BIMビュワー連携システム。Boxで対象ファイルを選択し、ビュワーを起動するとモデルの形状や外観を確認できる。
ビュワーは、Autodeskが提供する「Autodesk Platform Services(旧Forge)」の機能を採用している。ただ外観を見せるだけではなく、BIMモデルの「オブジェクトの属性情報」「オブジェクト階層」「2D図面」「集計表」などの情報も閲覧可能だ。
システムはWebブラウザ上で表示するため、インターネットにつながれたデバイスであれば実行可能で、RevitやNavisworksのインストールは必要ない。そのため、使用するデバイスを問わず、インターネット環境下であれば場所を選ばずに確認できるため、発注者を含むプロジェクト関係者が設計データをより手軽に共有可能になり、早期の合意形成が実現する。
ユーザーごとにBoxの運用状況も異なるため、モデル以外の別情報もビュワー上に表示したいなどの多様なニーズにも、大塚商会の独自開発なので機能の追加や変更で柔軟に対応するという。
Box-BIMビュワー連携システムは、Box統合機能を利用するため、BoxプランはEnterprise以上を推奨している。Webブラウザ版Boxのみに対応し、アプリ版は利用不可。外部サービスのAutodesk Platform ServicesやMicrosoft Azureを利用しているため、システム費用とは別に外部サービス利用のための費用が発生する。
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