NSWと日本工営のひび割れ点検支援システム「VIS&TFC」がバージョンアップした。VIS&TFCは画像鮮鋭化処理をPC画面上で瞬時に可能で、ひび割れの深さや表面のざらつきを色分けして表示する。
NSWと日本工営は2024年9月2日、ひび割れ点検支援システム「VIS&TFC(ビスアンドティーエフシー)」のバージョンアップ版の販売を開始した。
VIS&TFCは、錯視を誘発する画像処理で、ひび割れを強調表示するシステム「VIS(Visual illusion based-Image feature enhancement System:錯視誘発画像特徴強調システム)」と、画像の特徴を分類して解釈する「TFC(Target and non-target image Feature area Classification algorithm:対象画像特徴&非対象画像特徴領域内分類アルゴリズム)」を組み合わせ、東京理科大学 創域理工学部 社会基盤工学科 教授 小島尚人氏の研究室が有する特許技術を用いている。
VISは、幅0.2ミリの微小なひび割れも強調表示し、目視検査の負荷軽減や迅速な検査が可能になる。また、リアルタイムでのデータ描写で、検査現場での静止画や動画(ドローン動画、各種3D動画など)のリアルタイム検査、保存した静止画や動画に対する事後分析の双方を支援する。
TFCは、電磁波反射率に基づき、検出したひび割れ領域内やテクスチャ特徴領域内の深さ情報(表面部または深部)を可視化し、ひび割れ状態の確認が実現する。
VIS&TFCでは、PCで画像鮮鋭化処理し、ひび割れの深さや表面のざらつき具合を色分け表示するシステム。従来、こうした処理は複数のソフトウェアでの操作が必要だったが不要でPC画面上だけで済む。Webブラウザの画面やWindowsアプリケーションのウィンドウで表示される画像に、リアルタイムで特徴強調や判読処理ができ、ひび割れ領域内の深さ情報を可視化したり、計測機能を用いる事で寸法や面積を計測することも可能だ。そのため、コンクリートのひび割れなどの異常を速やかに発見でき、ヒューマンエラーの抑制にも寄与する。
今回のバージョンアップでは、エンボス係数の自動(動的)切り替えやエンボス係数別での視認性評価画像の連続表示、クラス別重心グラフの値(クラス別RGB値)のCSV出力、クラス別占有率の棒グラフと円グラフの切り替えなどの機能が新たに加わった。
新工法:コンクリート橋の大規模改修工事に新工法、炭素繊維材料使用 JR東海
ロボット:1日2000m2撮影する床面ひび割れ検知ロボ「Floor Doctor」 「NETIS」登録
維持管理:AIを活用し、コンクリート構造物の劣化状況を継続監視 ニコン・トリンブルなどが開発
製品動向:型枠に貼り付けてコンクリートの品質を向上、東急建設が湿潤/保水養生シート開発
業界動向:「Kアリーナ横浜」の混雑緩和用歩道橋が設計ミスで開通延期、橋台にひび割れ
脱炭素:CO2吸収コンクリートに2つのグレードを設定、大型PCa製品を開発 鹿島建設Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10