3Dプリンタ住宅のセレンディクスは、新たにメーカーなどが異なる3台の3Dプリンタを導入した。3Dプリントの多拠点化を急ピッチで進め、生産量の倍増を目指す。
セレンディクスは2024年7月、協力会社のコンソーシアム企業を含め、新たに3台の建設用3Dプリンタを熊本県、千葉県、沖縄県で導入したと発表した。
3Dプリンタは、セレンディクスと協力企業の新昭和とタマキハウジングが保有し、それぞれ熊本県、千葉県、沖縄県に設置する。現在、提携出力工場となる生産拠点の拡大を進めており、2024年末までに12台に増やす。
セレンディクスは「世界最先端の家で人類を豊かにする」をビジョンに掲げ、ロボット施工による建設コストの大幅削減により、「車を買う値段で家を買い替えられる」新しいデジタル社会の実現に取り組んでいる。ビジョンに共感する285社(2024年7月現在)とコンソーシアムを組成し、開発や生産、販売、施工などを互いにノウハウやリソースを共有しながら「オープンイノベーション」で3Dプリンタによる住宅建築の社会実装を進めている。
今回導入したプリンタは、コンソーシアム企業との連携で開発された専用仕様となる。管理は協力企業が担い、セレンディクスは製造ノウハウや設計データ、材料などを提供する。2024年から量産準備として提携出力工場の拡大を進めており、年末までに12台まで増やす。また、拠点を分散させることで、施工現場までの輸送費を低減し、さらなるコストダウンにつなげる。
3Dプリンタの強みは、設計データがあれば世界中どこでも同じ形の住宅が出力できることにある。セレンディクスは2022年10月に1つのデジタルデータを使って世界初となる世界5カ国で同時出力する実証実験を実施するなど、品質の均一化についても研究している。
これまでセレンディクスでは2種類の3Dプリンタを運用してきたが、今回新たにメーカーなどの異なる3機種を採用した。性能差や材料となるセメント素材などを検証することで、将来は異なるプリンタで同一品質の住宅を、国内外のさまざまな場所で供給できる体制を整えていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.