東急建設は、地下空間の室内面積拡大などを目的とした新工法「TQ-CometWall」を開発し、日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得した。山留め工事におけるRC壁の心材を本体構造物として活用する。
東急建設は2024年8月8日、地下工事の省力化やCO2削減、地下空間の室内面積拡大などを目的に、山留め工事におけるRC壁の心材を本体構造物として活用する工法「TQ-CometWall(東急建設式合成地下RC壁工法)」を開発し、日本建築総合試験所の建築技術性能証明(GBRC性能証明第23-20号)を取得したと発表した。
TQ-CometWallでは、RC造の地下外壁と山留め壁の心材H形鋼をシヤコネクター(接合部品)で接合し、各部材が一体となって側圧に抵抗する。土圧や水圧にRC壁のみで抵抗する在来工法と比較して、壁厚の縮小による地下空間の有効面積拡大、地下工事の省力化や躯体工事費の削減、建設時に排出されるCO2削減などの効果が期待できる。
また、東急建設は独自に、実際の地下外壁の施工状況を想定し、頭付きスタッド(シヤコネクター)の性能を評価する実験を行った。得られたデータをもとに設計時に使用する各種構造性能を評価し、より合理的で経済的な設計を可能とした。
地下5層を想定した試設計では、地下外壁の壁厚が低減することで躯体数量が削減し、地下階の室内面積が2%(約6平方メートル)増加する結果が得られた。
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