国土交通省は、全国の地方自治体で決定した都市計画のGISデータを、統一されたフォーマット(Shape形式/CityGML形式)で、無料ダウンロードできるWebサイトの運用を開始した。行政やまちづくり分野だけでなく、幅広い領域で活用されることを見込んでいるという。
国土交通省は2024年7月5日、全国の地方自治体で決定した都市計画のGISデータを整備し、誰でも無料でダウンロードできるWebサイトの運用を開始した。データは統一されたフォーマット(Shape形式/CityGML形式)で無償公開しており、GISソフトウェアで利用可能だ。
国交省は今回、都市計画区域、用途地域に加え、都市計画道路など多種多様な都市計画のGISデータを公開した。都市計画の内容を幅広く周知するとともに、多様なデータとの組み合わせや分析ができる。行政やまちづくり分野だけでなく幅広い領域で活用されることを見込んでいる。
地方自治体が決定した都市計画は、自治体ごとにさまざまな方法で公開されている。国交省はまちづくりDX推進の観点から、各地方自治体が所有するGISデータを集約し、統一されたフォーマットで一元的に公開することで、活用しやすくした。
公開したデータは、地方公共団体などが作成した都市計画総括図またはGISデータと、国交省が作成した国土数値情報をもとにしている。
地方公共団体からGISデータの提供があった場合は、国交省が内容を確認、修正し、製品仕様書に準拠したデータ構造などに編集加工を行っている。GISデータの提供がなく、2019年4月1日以降の都市計画の変更がなかった場合は、国交省不動産・建設経済局が2018年に整備した「国土数値情報」を、製品仕様書に準拠したデータ構造などに編集加工して公開。都市計画総括図を紙で提供された場合、スキャニング、幾何補正をしたデータを、図面に記載されている境界線をデジタイズにより入力し、属性情報の付与、データの構造化を行った。
なお、掲載データは、建築確認申請や不動産重要事項説明などの手続きに使用することを保証するものではなく、参考情報としての利用を想定しているという。都市計画が決定していても掲載されていないデータもある。
国交省の不動産・建設経済局が提供する「国土数値情報」や「不動産情報ライブラリ」でも一部の都市計画情報が公開されているが、今後は今回の都市計画のGISデータも反映させていく予定だ。
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