構造計画研究所は、2023年度の「Project PLATEAU」のユースケース開発に参画し、土砂災害シミュレーションや熱流体解析に関する大規模シミュレーションを開発した。
構造計画研究所は2024年6月11日、2023年度の「Project PLATEAU」のユースケース開発に参画し、土砂災害シミュレーションや熱流体解析に関する大規模シミュレーションを開発、実証実験を実施したと発表した。
Project PLATEAUは、国土交通省が主導する日本全国の3D都市モデルを整備してオープンデータ化するプロジェクトだ。
同社は今回、ウエスコと共同で、家屋の倒壊状況などを考慮した土石流流体数値シミュレーターやその3D可視化システムを開発した。岡山県備前市を対象としている。
Project PLATEAUで整備した3D都市モデルを活用。家屋に土石流などが衝突することにより、エネルギーや流動方向が変化することを考慮した土石流シミュレーションが実施可能となった。
家屋の倒壊などを考慮した上で土石流が氾濫する範囲を解析し、工学的根拠に基づいて比較的低リスクな地点などを示すことができる。
今後は評価ロジックの精度向上などを図る。また、土砂災害対策で課題を有する地方公共団体などに対して、同システムを用いたコンサルティングを展開する。
さらに、Web上で利用できるCFD(熱流体シミュレーションシステム)を開発した。3D都市モデルから、建築物の3次元形状や属性情報(用途)、地形、土地利用区分などの情報を取得して用いるものとなっている。
システムを用いることで、熱流体シミュレーションに関する業務フローの大部分を、地方公共団体職員などの非エンジニアユーザーが自ら実施可能となった。従来は、コンサルタント企業などに外部委託する必要が生じていた。
今後は、都市計画の実務へのサービス展開を図る。さらに将来的には、都市計画以外の行政分野への適用も視野に入れた機能の拡充を検討する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.