インフォマティクスと北海電気工事は、MRを用いた施工検査の実証実験を実施した。2D施工図から検査対象を自動で抽出し、検査項目を割り当て、現実空間に検査ポイントを表示して、報告書作成までも含む省力化につなげた。
インフォマティクスは2024年6月11日、北海電気工事の協力を得て、MR(Mixed Reality:複合現実)を用いた施工検査の実証実験を実施したと発表した。
実験では、インフォマティクスのMR技術「GyroEye(ジャイロアイ)」を活用した。DWG形式などの2D施工図から検査対象を自動で抽出し、検査項目を割り当て、デジタル記録とMRを用いた現場での検査ポイントのガイダンスを連携させた。検査ポイントは現実空間に重なって表示されるため、誰でも一目瞭然に検査ポイントを把握できる。
検査のチェックリストは、GyroEyeの2D施工データ連携をもとにしているため、既存の検査プロセスを変更せずにデジタル化が可能になる。MR用のウェアラブルグラスを装着することで、両手を自由に使えるハンズフリーとなり、ジェスチャーだけで検査が完了する。音声入力によるコメント記録にも対応しているため、検査業務の省力化につながる。
検査結果は、検査ポイントと紐(ひも)付けて自動で写真が管理されるため、従来手間が掛かっていた写真整理が不要となり、報告書作成業務の時間短縮につながる。
北海電気工事は今回のMR検査について、「次期生産世代の空洞化や働き方改革に対応できる」とコメントしている。
インフォマティクスは、今後も北海電気工事とMR技術を用いた検査のDXに取り組む。また、同様のニーズを有する建設業や製造業にパッケージとしての汎用化も進めていく。
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