鹿島建設は、岡部、丸久、楠工務店と共同で、型枠工事を省力化する「型枠一本締め工法」を開発した。在来工法と比較して使用するパイプを軽量化するとともに、高強度化して本数を削減し、施工方法を簡素化した。既に全国10件以上の現場に新工法を導入し、このうち東京都豊島区の社有施設「ドーミー南長崎アネックス」の新築工事現場では、パイプ荷揚げの総重量を約56%低減し、歩掛を約20%向上した。
鹿島建設は2024年5月31日、岡部、丸久、楠工務店と、コンクリート構造物を施工する際の型枠工事を省力化する「型枠一本締め工法」を開発したと発表した。在来工法と比べ、使用するパイプを軽量化するととともに高強度化して本数を削減した他、施工方法を簡素化し、歩掛を約20%向上させる。
既に全国10件以上の現場に新工法を導入し、このうち東京都豊島区の社有施設「ドーミー南長崎アネックス」の新築工事現場では、パイプ荷揚げの総重量を約56%低減し、歩掛を約20%向上した。
鹿島建設では、在来工法が普及し始めた1950年代以降、画期的な技術革新がなかった型枠工事で約70年ぶりの新工法だとしている。今後、より多くの現場に新工法を展開する他、共同開発社を通じて、新工法に使用するアルミパイプ、パイプジョイント、フォームタイの販売を本格化する。
新工法に使用するアルミパイプ(重さ1.62キロ/メートル)は、在来工法の鋼製パイプ(重さ2.73キロ/メートル)と比べて大幅な軽量化と高強度化を実現し、柱と壁工事のパイプの使用本数を、在来工法の2本1組から1本に半減する。また、かぶせてはめ込むだけで施工できる、新型アルミパイプを繫ぐパイプジョイントを開発した他、下のボルトにアルミパイプを預けられるロの字型の新型フォームタイにより、締付けの際にパイプを片手で支える必要がなく両手で安定した作業ができるようになった。
新工法により施工の効率化を実現することで、技能者の身体的負担を軽減し、作業時間の短縮にもつながる。また、運搬由来のCO2発生量を半減するとともに、パイプなどに採用したアルミ材はリサイクル率が高いため、環境負荷も低減する。
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