アンドパッドは、インフラ業界向けに、現地調査時の野帳や施工記録として活用できる新たなプロダクト「ANDPAD 3Dスキャン」の提供を開始した。iPhoneProとiPadProに付随するLiDAR機能を活用し、CADや3Dを使用したことがない人でもスマートフォンやタブレットで簡単にスキャンができる。
アンドパッドは2024年5月27日、インフラ業界向けに、現地調査時の野帳や施工記録として活用できる新プロダクト「ANDPAD 3Dスキャン」の提供を開始したと発表した。スマートフォンやタブレット端末を使用して埋設したガス管を3Dデータ化し、図面作成の簡易化や測量/施工結果などの報告書類作成の省略を可能とする他、寸法確認のためのヒアリングや差戻しを減らして工事業務の効率化を実現する。
工事でガス管を埋設した際、従来は現場で工事作業者が埋設位置や延長などの計測/記録を行い、事務所に戻ってからガス管竣工図を作成していた。
ANDPAD 3Dスキャンは、iPhone ProとiPad Proに付随するLiDAR(深度センサー)機能を活用し、埋設したガス管を3Dデータ化。3Dデータに、施工したガス管の延長/深さの計測や埋設した場所、周辺環境の確認、3D上の任意のポイントなどをメモ登録して、クラウドにアップロードすれば現場記録が完了する。取得データは位置/方位情報を保有しており、ガス管を始めとした地下埋設物の正確な位置を把握。取得場所はGoogle Mapなどで確認できる。
3Dデータは施工時の証拠や根拠としてのデータ価値が高く、維持管理でも正確な位置補足による周辺工事からの損傷リスク低減に役立つ。
また、「ANDPAD BIM(β版)」にアップロードすることで、スキャンした3Dデータをプロジェクトメンバー全員が閲覧、確認できる。
ANDPAD 3Dスキャンのプロジェクトパートナーである東邦ガスネットワークは2024年夏から、供給管工事での全面活用を開始する。
新プロダクトの導入により、従来の竣工図作成作業と比較して工数を5割以上削減する他、精緻な埋設情報を残すことで他工事による損傷防止や保安面の効果も期待される。
今回のプロジェクトにあたっては、東邦ガスネットワーク内で部門横断のタスクフォースチームを組織し、アンドパッドの新規事業研究開発組織「ANDPAD ZERO」と、供給管工事における協力会社への発注から施工、成果物の検収、基幹システム登録までの業務改革の整備を進めてきた。
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