「築地市場跡地」に5万人収容イベント施設など、三井不グループが再開発事業者に 全体完成は2038年度プロジェクト(1/2 ページ)

東京都は「築地市場跡地」の再開発で、三井不動産を代表とする企業グループを事業者に決定した。計画では、先行して開発する「にぎわい施設」を2025年度中に着工し、その後に約5万人収容するイベント施設などの街区工事に入り、全体完成は2038年度を見込む。

» 2024年04月23日 19時00分 公開
[BUILT]

 東京都は2024年4月19日、東京都中央区の「築地市場跡地」を再開発する事業者に、三井不動産を代表とする企業グループ「ONE PARK×ONE TOWN」を選定したと明らかにした。

自然と都市が呼応して重なり合う、“生命体”をテーマとした街づくり

築地市場跡地の再開発イメージ 築地市場跡地の再開発イメージ 出典:東京都「事業予定者の提案概要」

 事前審査では、2023年年8月31日に提案書を公募したところ、2グループから応募があり、周辺の街、緑、水辺との境界を無くし、自然と都市が呼応して重なり合う“生命体”としての街をデザインする「ONE PARK×ONE TOWN」の全体コンセプトが評価され、事業者に決まった。グループ構成企業は、三井不動産、トヨタ不動産、読売新聞グループ本社、朝日新聞社、トヨタ自動車に加え、建設関連は鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店、日建設計、パシフィックコンサルタンツ。

 開発地は、中央区築地五丁目と築地六丁目の都有地19万4679.11平方メートルで、一般定期借地権により、70年間+建設期間分を貸し付け、事業者は施設などの設計、建設、運営、維持管理などを担う。

 計画では、2025年度に先行して着工する「にぎわい施設」で、波除神社の隣接地に「波除広場」やフードホールを一体的に整備し、築地場外市場と連携して、本格的な街づくりへの期待感を醸成する新たなにぎわいを早期に創り出す。

先行して着工する「にぎわい施設」 先行して着工する「にぎわい施設」 出典:東京都「事業予定者の提案概要」

 その後に着手する本格工事では、約5万人収容の全天候に対応する大規模集客施設の建設を筆頭に、「ウェルネスイノベーション」「食/体験/にぎわい」「迎賓/ホスピタリティ」の3つの主要機能も街に導入。浜離宮や隅田川といった周辺資源を生かし、合計約10ヘクタールの都内有数となる広場、たまり空間、緑を整備する。

 大規模集客施設は、世界選手権をはじめとした各種スポーツ大会、コンサート、大規模展示会などの開催を想定し、可動席などを組み合わせることで、臨場感を損なうことなく、感動や楽しみが最大化される空間を創出する。屋上には、浜離宮恩賜庭園と連続する緑が見渡せるビュースポット、ラウンジやスイートルーム、貴賓室などのホスピタリティエリアを新設する。

収容人数約5万人の全天候/超多機能型施設 収容人数約5万人の全天候/超多機能型施設 出典:東京都「事業予定者の提案概要」
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